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早大ボクシング部 復興祈り11月に英国で慈善試合

[ 2011年10月27日 16:05 ]

英国遠征を前に、リングの上で意気込む早大ボクシング部員たち=9月、東京都新宿区の早大体育館

 東日本大震災からの復興の祈りを込め、早稲田大ボクシング部が近代ボクシング発祥の地である英国へ11月に遠征、オックスフォード、ケンブリッジ両大学の混成チームとグローブを交える。オックスフォード大の試合会場や日本国内でリストバンドを販売し売り上げを義援金とするほか、試合会場で地震による日本産品の風評被害の解消を訴えるDVD上映なども行う予定だ。

 早大ボクシング部は2009年4月、創部80年を記念し、英大学のボクシング部として伝統ある両校を早稲田に迎え対抗戦を実施。オックスフォード大ボクシング部創部130年の今年、今度は早大側が英国への遠征準備を進める中で3月、東日本大震災が発生した。

 被災地となった岩手県出身の平野光男監督(78)は「他人を思いやる気持ちや行動が震災後の日本で広がっている。私たちも何ができるかを考えた」と英国遠征を被災地支援に結び付けた思いを語る。部員らは夏のオフ期間中、岩手県陸前高田市や宮城県名取市でボランティア活動にも参加した。

 「被災した人たちに感謝の言葉を頂き、逆に元気をもらった。英国で魅せる試合をして、復興に懸ける日本の心意気を伝えたい」とスポーツ科学部4年の藤井剛志主将(22)。主務の政治経済学部3年、米田昇平さん(21)は「被災地の惨状を見て言葉を失った。頑張る被災者に対して恥ずかしくない試合をしたい」と意気込みを話した。

 ケンブリッジ大学OBのポール・スノードン早大国際教養学部教授(64)は「震災で肉親を亡くしながらも人のために行動する東北の被災者の姿に感銘を受けた。英国はフェアプレー精神を重んじる国。試合を通じた復興支援に賛同の声も多く集まるのでは」と期待を寄せている。(共同)

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2011年10月27日のニュース