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八重樫 挑発に乗らん!佑ちゃんカプセルで余裕

[ 2011年10月23日 06:00 ]

ムエタイ仕込みの王者の肘打ちにムッとする八重樫

WBA世界ミニマム級タイトルマッチ

(10月24日 後楽園ホール)
 2度目の世界挑戦に臨む八重樫東(28=大橋)が22日、東京・文京区の日本ボクシングコミッションで行われた予備検診で異常なしと診断された。八重樫は今年から大橋ジムに導入された約500万円の最新鋭・酸素カプセルを使用して体調も万全。1分間の脈拍数は47と低い数値を示しており、王者ポンサワン・ポープラムック(33=タイ)の挑発にも落ち着いた“大人の対応”を見せた。

 両者がファイティングポーズで写真撮影をしようとした時だった。すでに構えていた王者がまだポーズを取っていない八重樫の脇を肘打ち。温厚な性格で知られる八重樫は一瞬熱くなりかけたが、すぐに冷静さを取り戻した。

 「何だこの野郎!と思いましたよ。けんか腰でどうしようか困ったけど、やり返しても意味がないし。あとはリングの上でやるしかないと思いました」

 酸素カプセル効果だった。マウンド上で冷静な投球を見せるプロ野球・日本ハムのルーキー斎藤佑樹が愛用していることから、大橋ジム・大橋秀行会長が「世界戦に向けて」と約500万円する最新鋭の酸素カプセルを今年からジムに導入。八重樫は世界戦に向けてほぼ毎日使用してきた。新陳代謝がよくなったことで減量も順調に進み、精神状態も安定した。王者と初対面のこの日の脈拍数が47だったことが、それを証明していた。

 これまでは試合や練習で熱くなると自分のペースを見失い“暴走”することもあったが、この日は打ち合いを望む王者の「逃げるな八重樫!」という挑発にも乗らなかった。「足を使っちゃいけないルールなんてない」と大一番は本来の軽快なステップを生かしたアウトボクシングを貫く。

 地元・岩手県からは100人の応援団が駆けつける予定。「東日本大震災で被災して大変だと思う。元気、勇気、ベルトを与えられたらと思うけど、今は戦うのみ。結果的にそうなればいい」。全神経をリングに集中させた八重樫にはベルトがくっきりと見えている。

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2011年10月23日のニュース