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興毅“雑音”封印へ「5階級すれば文句ないやろ」

[ 2011年2月4日 06:00 ]

節分の豆まき代わりに鬼にパンチを繰り出す亀田興毅(左)と大毅

 日本人初の3階級制覇を成し遂げたプロボクシングのWBA世界バンタム級王者・亀田興毅(24)が、新たな目標に5階級制覇を掲げた。3日、栃木・芳賀町のロイヤルメドウゴルフ倶楽部で次男・大毅(22=ともに亀田)と走り込み合宿を公開。3階級制覇の価値を疑問視する一部の声を拳で黙らせる。

 抜けるような青空に、決意の言葉が吸い込まれた。ゴルフ場のティーグラウンドで行われた会見。興毅の口調が一気に熱を帯びた。「3階級で満足していないし、もっと大きな夢を持っとる。5階級すれば文句ないやろ」。昨年12月、ムニョスとのWBA世界バンタム級王座決定戦を制し、デビュー当時からの目標だった日本人初の3階級制覇を達成。新たな目標を掲げるのはもっともだが、言葉の端々にただならぬ思いが見え隠れした。

 偉業を成し遂げても、一部からその価値を疑問視する声が上がった。それを意識したのか「俺みたいなボクシングマニア的には、昔は間の階級がなかったから一緒にしたらあかんやんか。だから3階級制覇が一概に凄いとは言えない」。念頭にあるのは60年代に日本人初の2階級制覇を達成したファイティング原田(原田)の存在。当時は現在の17階級より少ない11階級だった。現在の階級に当てはめればファイティング原田の偉業はフライ、スーパーフライ、バンタムの3階級に相当する。さらに4つある主要王座認定団体もWBAのみだった。

 「だから5階級制覇すれば文句ないわけ。昔で言ったら5階級制覇が3階級ぐらいやから。そうやろ」。興毅は「文句」という言葉を2度繰り返した。封じ込めるには己の拳しかないことは十分理解している。4月には初防衛戦を予定。合宿では2日間で約40キロを走り込んだ。「もうちょっとで決まるよ」と興毅。立ち止まっている暇はない。

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2011年2月4日のニュース