成瀬國晴選　タイガース川柳大賞

◆成瀬　國晴（なるせ・くにはる）
1936年大阪市生まれ。イラストレーターとして、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌、商業デザインなど幅広い分野で活躍。レポーター、番組司会者、コメンテーターとしての顔も持つ。日本漫画家協会会員。大阪府知事文化功労者表彰。第２４回上方お笑い大賞審査員特別賞受賞。2007年大阪市市民表彰（文化功労者部門）、関西ディレクター大賞・特別賞受賞。
成瀬國晴HP【naasanillust.mond.jp】

タイガース川柳（6月第2週・週間賞）

[ 2019年6月11日 08:00 ]

＜週間賞＞
聖地沸く　4万6千　帰らせず
　　（大阪府大阪市・後藤　憲之）

＜佳作＞
同病へ　たくさんの夢　サヨナラ打
（和歌山県かつらぎ町・窪田　泰壽）
おかえりと　寄ってたかって　お膳立て
　（香川県宇多津町・中山　喜博）
果敢なる　三盗神を　呼び寄せる
　（京都府京丹後市・金森　恵里）
待ってたで　打って94に　1勝や
　　　（大阪府大阪市・若井　稔）

【講評】選考委員長・成瀬國晴（イラストレーター）
　セ・パ交流戦が始まった。
　原口選手から始まって原口選手で終わった先週の2カードは3勝3敗。とりわけ9日の日本ハム戦9回に起こった感激のドラマに涙した多くのグッチ句が届いた。後藤憲之さんの句がそのすべてを詠み込んでいて週間賞。

　3―3の9回、2死から高山選手、北條選手が連打。北條選手の盗塁で二、三塁にして、代打・原口選手が打席に立った。ここで阪神タイガースファンが脳裏に描いたドラマの台本通りに原口選手は演じた。サヨナラ勝利の打球はセンター前に飛んだ。感動の涙が聖地をウエーブし、ウオーターシャワーがグラウンドに舞い踊る。

　ヒーローインタビューで原口選手が「僕の活躍が力になるとすれば…」と力強く話したのは、窪田泰壽さんの同病者へ励ましの言葉と夢の句となる。

　中山喜博さんが詠む大山、マルテ、梅野、高山、北條各選手の寄ってたかってのお膳立ての見付けもいい。

　もちろん、梅野捕手の三盗による同点もぎ取りも入れての話だ。
　それを金森恵里さんが詠んでいる。
　若井稔さん、5963（ゴクローサン）。

　▽応募方法　〒530―8278　スポーツニッポン新聞社報道部「タイガース川柳」係。メールの場合はyakyuu－o＠sponichi.co.jp、ファクスの場合は（電）06（6346）8574まで。〒住所、氏名、年齢を記入のこと。次回は16日必着。掲載は18日。　