成瀬國晴選 タイガース川柳大賞

◆成瀬 國晴(なるせ・くにはる)
1936年大阪市生まれ。イラストレーターとして、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌、商業デザインなど幅広い分野で活躍。レポーター、番組司会者、コメンテーターとしての顔も持つ。 日本漫画家協会会員。大阪府知事文化功労者表彰。第24回上方お笑い大賞審査員特別賞受賞。2007年大阪市市民表彰(文化功労者部門)、関西ディレクター大賞・特別賞受賞。
成瀬國晴HP【naasanillust.mond.jp

タイガース川柳 2018年5月第5週・週間賞&5月・月間賞

[ 2018年5月29日 12:23 ]

<週間賞>

強靱な 壁に一穴 鋼(はがね)糸 (大阪府池田市 毛馬 敏一)

<佳作>

両親へ お礼とボール 初勝利   (兵庫県伊丹市 喜多村 宏)

中谷の 笑顔まぶしい 5連勝   (岐阜県多治見市 今井 章文)

躊躇なく 高代コーチ 腕回す   (大阪府高槻市 梅津 昭)

3タテで しばし巨人に 別れ告げ (福島県いわき市 堀 卓)

<月間賞>

マウンドと 別の遥人の お立ち台 (三重県伊賀市 平井 哲夫)

  【講評】選考委員長・成瀬國晴(イラストレーター)

 聖地であった巨人3連戦を終えてマッサージ器にかかった。

 金本監督、コーチ、選手たちもしんどかっただろうし、わたしも疲れたがホッとした。

 5月25日の岩貞投手と菅野投手の息詰まる投手戦には、野球の醍醐味(だいごみ)を通り越して緊張の連続だった。5回1死まで菅野投手に5三振を奪われていた硬直状態を破ったのは、糸井選手が放った弾道が輝流ラインの8号ホームラン。それも通算150号のメモリアル弾だ。

 毛馬敏一さんが詠む強靱(きょうじん)な“菅野壁”を突き破る鋼糸の句は力強い。この一発を後押しした岩貞投手の7回8奪三振、無失点の好投もこの句の陰にある。

 27日に先発し6回2安打、7奪三振、無失点の才木投手は19歳だ。喜多村さんの句にはプロ初勝利を得て両親への感謝が詠み込まれている。

 26日、中谷選手のサヨナラ打、27日の先制1号2ランは久しぶりに見る彼の笑顔で、今井章文さんの「まぶしい」が詠み得て妙だ。

 サヨナラ打を生んだ糸原選手の粘りの四球と激走帰還。陰の立役者・高代コーチのファインプレーだね、梅津昭さん。

 堀卓さんの句には、勝っておごらず、敗者に憐憫(れんびん)の情も見せない好敵手への温かさがある。

 月間賞は、18日に高橋遥が2勝目を手にした表情の対比を詠んだ平井哲夫さんの句に。

 ▽応募方法 〒530―8278 スポーツニッポン新聞社報道部「タイガース川柳」係。メールの場合はyakyuu−o@sponichi.co.jp、ファクスの場合は(電)06(6346)8574まで。郵便番号、住所、氏名、年齢を記入のこと。次回は6月3日必着。紙面掲載は5日。

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