球拾い―大リーグのこぼれ話伝えます―

チャプマン買い戻しヤンキース“負の歴史”再び⁉

[ 2016年12月11日 05:30 ]

 ヤンキースは4カ月ほど前にカブスに放出したアロルディス・チャプマン投手を“買い戻し”た。救援投手として球史最高となる総額8600万ドル(約99億円)の5年契約だ。ヤ軍は今季後半に活躍した若手野手を中心に来季から3年計画の再建を宣言した。復帰は大きな力になるはずだ。ところがニューヨークのメディアは「目先の派手さだけで、後悔することになる獲得」と厳しい。

 抑え投手より、田中将大だけの先発投手の補強が急務。その上、チャプマンの契約期間は長すぎ、年俸も高すぎる。後で頭を抱えるヤ軍のFA長期契約失敗の歴史を繰り返す可能性大、というのだ。108年ぶりに“世界一”になったカブスは、引き留めるそぶりも見せずチャプマンをFA市場に行かせた。これは、チャプマンの獲得が当初からポストシーズン用の短期補強だったのに加え、その剛速球に限界を感じたから、と見る。ワールドシリーズが進むにつれチャプマンの球速は落ちた。第7戦ではセーブチャンスをつぶし、スライダーに頼り、打線のおかげでの勝利。これで「お役御免」だ。カブスはチャプマンの抜けた抑えの穴を、ロイヤルズからウェード・デービスを獲得して埋めた。余っている外野手ホルヘ・ソレアとの交換だった。

 カ軍のセオ・エプスタイン編成本部長は抜け目がない。それに比べ、ヤ軍のブライアン・キャッシュマンGMは…となるが、同情論もある。オーナーのハル・スタインブレナー氏が「彼は人気がある。買い戻せ」と命じたというのだ。「キャッシュマンGMはチャプマンの高額年俸のため発生しかねない“課徴金”に悩まされるだろう」(同メディア)。昔のヤ軍に逆戻りだ。成績も戻ってくれるといいのだが…。 (野次馬)

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