球拾い―大リーグのこぼれ話伝えます―

“再燃”市VSエンゼルス 球場周辺施設めぐり闘争も

[ 2016年9月18日 05:30 ]

 エンゼルスは3年ぶりの負け越し。スタートで出遅れ、沈んだままだった。そして今、本拠地アナハイム市とのエンゼルスタジアム周辺の大型開発を巡る“戦い”でも負けそうなのである。市当局は、球場隣接のサッカーグラウンド15個分の土地に大型商業施設、レストラン、オフィス、居住棟、ホテルなどを建てる総合開発計画に乗り出した。市と開発会社は「球場を見下ろす30階の高層マンションと屋外娯楽施設、エ軍の試合の前後に飲み、食べ、楽しむ場所を提供」とPRしている。エンゼルスの年間300万人超の観客を目当てにしたビジネス展開だ。

 エ軍は「市の計画は球団が球場内で経営している飲食販売や売店の収入を横取りするに等しい」と怒る。実はエ軍も球場駐車場に“野球を楽しむホテル”の建設を計画していた。市との球場借用契約では球場改修費は球団持ち。新ホテルの利益を改修費に充てようと考えたのだ。「同様の施設ができては我々の利益は大きく損なわれる」とエ軍。しかし、市の都市計画委員会は市の大型開発を承認した。市当局は今月末に改革案を市議会に提出、採決を狙う。追い込まれたエ軍は「開発計画の環境評価がおざなり、再度の環境評価を」と抵抗する。

 エ軍は05年にチーム名から「アナハイム」を外し「ロサンゼルス・エンゼルス」にして怒った市と法廷闘争になり、勝った前歴がある。その後、市の顔を立て、今の「ロサンゼルス・エンゼルス・オブ・アナハイム」を正式名とした。今度も法廷闘争か、とのメディアの質問に球団は「あらゆる選択肢を排除しない」。球団と本拠地都市のケンカ、どうなることやら…。(野次馬)

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