球拾い―大リーグのこぼれ話伝えます―

いつもどこかの球場が高額な維持費と苦闘

[ 2016年8月28日 05:30 ]

 大リーグではいつもどこかの球場が問題を抱えている。豪華な球場維持資金の問題だ。ホワイトソックスの球場USセルラー・フィールドは11月から「ギャランティード・レート・フィールド」と名を変える。携帯電話会社セルラーとの25年の命名権契約が終了し、新スポンサーの住宅ローン会社と13年契約。会社名を意訳すると「低利保証」とでもなるだろうか。

 バックスクリーン上の巨大な電光掲示板が会社の看板を兼ね、ロゴが凄い。「レート=利率」の字を囲んだ巨大な赤色の下向きの矢印。早速、メディアの冷やかしだ。ホ軍は05年のワールドシリーズ制覇以降、ポストシーズン進出は1度だけ。「下向き矢印はチームそのもの」。球場愛称は「負け保証球場」「低勝率球場」とはファンの地元紙への投稿だった。球場所有者の州当局は「税金の無駄使いを抑えるため。会社のえり好みは無理だ」。会社は「矢印は防御率を表すと見たらどうか。愛称はファンのお好きに」。

 ダイヤモンドバックスのチェース・フィールドは、所有の郡当局が売りに出した。最低希望価格は60億円。18年前に郡が240億円、ダ軍が110億円出して建設した観客用プール付きの球場だが、維持費と毎年新施設を加える改修費に音を上げた。“叩き売り”はダ軍との使用契約が終了する2027年までにかかると見込まれる維持改修費187億円を出してもらいたいため。もちろん売店収入や入場料収入には一切関われない。郡当局は買い手として名乗り出た会社、投資家らと話し合っているが、交渉難航とか。バラ色の夢を見て巨額の税金で豪華な巨大施設を造り“経営破綻”。スポーツ界ではよくある話だが…。 (野次馬)

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