球拾い―大リーグのこぼれ話伝えます―

厳しいファンの声…ヤ軍キャッシュマンGM最大の危機

[ 2016年8月7日 05:30 ]

 ファンの声は、時に解説記事より事の核心を突く。ヤンキースがチャプマン、ミラー、ノバの3投手と外野手のベルトランを放出し、交換で若手を主に13選手を集めた。スターを買うチームづくりのヤ軍が「大胆なチーム改造に動きだした」と野球メディアは拍手した。ブライアン・キャッシュマンGMは「2011年からの労使協定で選手獲得にさまざまな制限がかかり動きにくかった」と言った。だが、ファンは甘くない。ニューヨークの各紙に寄せられたファンのメールをのぞくと…。

 ここ10年のドラフトでヤ軍が1巡目に指名した選手を挙げ「一人も育っていない。お粗末なスカウト、駄目な育成システム」。「労使協定は改革遅れの理由にならない。アストロズ、パイレーツ、ロイヤルズ、アスレチックスと今の協定の中で強くなった球団は多い」。「遅くとも3年前にやる改革だ」。「キャッシュマンGMは、サバシアやテシェイラ、田中ら成績に見合わない大型長期契約を結びすぎた」。「年俸総額200億円を“適正額”にする、と言ったのは10年前ではないか。いまだに200億円超だ」。そして「放出すべきはキャッシュマンGM。監督のジラルディも一緒に」となる。チャプマン放出は「トップ投手は手元に置け、の球界の伝統セオリーに反する」とする声も多かった。

 非難の火の粉は記者たちにも飛んできた。獲得した若手が育つ2年後、FA市場に投のフェルナンデス(マーリンズ)、打のハーパー(ナショナルズ)が登場する。「ヤ軍はこの2人を買うだろう」とのコラムに「ファンタジー・ベースボールの記事は不要」。キャッシュマンGMは在職19年目、このオフ最大の危機を迎えそうだ。 
 (野次馬) 

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