球拾い―大リーグのこぼれ話伝えます―

キューバ選手獲得規則 早く確定させたい理由とは…

[ 2016年3月13日 05:30 ]

 レイズが22日(日本時間23日)にキューバ代表チームとハバナで親善試合を行う。折からバラク・オバマ大統領のキューバ訪問も重なり、観戦予定という。外交では空振りが多かった大統領にはキューバとの国交回復は数少ないヒットだ。観戦は“自分へのご褒美”といったところだろうか。

 オバマ大統領が国交正常化交渉開始を発表した14年末以来、大リーグ機構(MLB)はホワイトハウスや財務省とキューバ選手獲得規則について水面下で話し合ってきた。ニューヨーク・タイムズ紙によると、MLBの基本原則はキューバ政府にお金が渡らないようにし、契約交渉は選手と直接行うことだ。日本のチームに加わるキューバ選手のようにキューバ野球連盟(キューバ政府)のひも付きは認めない。5月までキューバ国内リーグでプレーする義務や年俸の20%をキューバ野球連盟が徴収するのもノーということになる。

 そこでMLBの腹案。キューバ側で野球関係者と選手団体合同のNPO(民間非営利団体)法人のような新組織をつくってもらう。大リーグ球団と契約した選手の年俸の一部をこの組織に納め、少年野球や教育、各種スポーツ施設の建設、改築などの支援資金とする構想だ。MLBでは、この案をキューバへの通商制裁を監視している財務省に示し認めてもらえるかどうかの判断待ちという。

 ただし、この構想はMLBがアメリカ国内の法的ハードルを外すためのもの。MLBは非公式にキューバ政府と話し合っているが、キューバ側が受け入れるかどうかは不透明だ。MLBとしてはオバマ政権の間に選手獲得規則を決めたいはず。もし、暴言王のドナルド・トランプ大統領誕生となったら、すべて雲散霧消かも…。 (野次馬)

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