球拾い―大リーグのこぼれ話伝えます―

マーリンズ11年ぶり勝ち越しもジーターCEOの評価は?

[ 2020年10月4日 05:30 ]

 負け越しが8年続いたマーリンズは17年オフに投資家ブルース・シャーマン氏に買い取られた。それから3年、マ軍はポストシーズン(PS)のワイルドカードシリーズでカブスを破り、次の地区シリーズはブレーブスと戦う。チームづくりのトップはデレク・ジーター最高経営責任者(CEO)。買収出資4%の“小オーナー”だが、ヤンキース一筋20年、強打の名遊撃手で殿堂入りのエリートは「お飾りはノー。チームづくりのトップ=CEO」を熱望して就任した。

 ジーター氏は、PSをメジャー史上最多の158試合経験したが「選手のときとは気持ちが全く違った」とニューヨーク・タイムズ紙で語った。今季最終戦のヤンキース戦に勝利し、11年ぶりの勝ち越しとPS進出を達成。「選手は試合で燃えるが、フロントは精神的プレッシャーで押しつぶされるだけ」。勝利に興奮し、夢中でスカウト部、編成部の全員にお礼の電話をしたそうだ。

 3年前、新人CEOの最初の仕事はベテラン選手放出とスカウト部門の一新だった。荒療治を施したが、17年85敗から18年98敗と成績は悪化。さらに昨季は105敗。非難殺到に「CEOになり、選手時代のようにファンから信用を得よう、とは思わなくなった。長期的視野でやる仕事とマインドセットしていたから」。新型コロナウイルス禍中を規則改正で強行突破の7月開幕。マ軍は18選手がコロナに感染し、1週間出遅れた。全60試合に登録できた選手は5人、延べ174人の入れ替えで達成した31勝29敗。162試合のフルシーズンでは、勝率5割も無理だっただろう。

 ドン・マッティングリー監督はジーターCEOと同じヤ軍一筋の一塁手。「彼は機会をつかむ能力が凄い。今季もそうだった」。一部メディアは「グロテスクな野球の年のシンデレラ」とマ軍を呼ぶが、褒め言葉か? (野次馬)

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