球拾い―大リーグのこぼれ話伝えます―

商売先行…“拡大版”ポストシーズンは今季限定で

[ 2020年9月20日 02:30 ]

 ポストシーズン出場16チームが週末にそろう。新型コロナウイルス禍で60試合を無観客、入場収入ゼロのシーズンをテレビ中継権料で取り返そうと出場を6チーム増やす拡大版だ。

 大リーグ機構(MLB)は「今季限定」というが、メディアは「来季以降も続ける可能性も」と警戒する。シーズン負け越しチームも出場しかねないポストシーズン。「容認できるか?」とスポーツ・イラストレーテッド誌が自社の野球記者たちに問いかけた。

 この制度は好きではないが、受け入れるしかない。162試合で最も勝ったア、ナそれぞれの球団で戦う“純粋”なワールドシリーズ(WS)は69年の球団増による地区制度誕生で消えてしまった。ビジネス拡大での変化は仕方ないが、今季改定の継続はノーだ。

 今季負け越し球団が出てきたら応援する。今季の目標は無事にシーズンを終えること。そして損失をテレビ収入でカバーすること。ただし拡大フォーマットは今季限り。続けるのは反対だ。

 今季限定でOK。今季の条件を過去のポストシーズンにあてはめると17年は負け越し4球団が出場可能だ。続けるならリーグの枠を取り払うしかないと思う。そうまでして続ける必要はない。

 16チームもポストシーズン出場では、レギュラーシーズンの価値を下げてしまう。首位チームに余計な負担をかけることにもなる。今季の規則改定でOKは延長戦のタイブレークだけ。他の改定は、元に戻すべきだ。

 読者も記者たちの見解と変わらないのではなかろうか。MLBが今考えているのは「少しでも観客を入れられないか」だという。「大リーグの野球とは10%のビジネス、20%のスポーツ、30%の儀式、40%の神話」と教わったけれど、時代は移り、商売、商売。(野次馬)

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