球拾い―大リーグのこぼれ話伝えます―

「オーナー席にいるべきではない」Aロッドに厳しい報道

[ 2020年9月6日 05:30 ]

 メッツの身売り先がようやく決まった。新オーナーは昨年末に報じられた投資家スティーブ・コーエン氏(64)。「ヘッジファンド投資のカリスマ」で、資産1兆円の大富豪だ。合意1カ月後の破談は、現オーナーが「あと5年間、球団重役の息子の留任」を頼んだため。“出戻り合意”の発表はシーズン後らしいが、その報道が面白い。コーエン氏と張り合って敗れたアレックス・ロドリゲス氏(Aロッド=45)と婚約者の女優で歌手のジェニファー・ロペス(51)に焦点を当てた。「メッツはオーナー席に問題のある人物が座るのを避けた」とニューヨーク・タイムズ紙。Aロッドの薬物汚染経歴を問題視した。

 「Aロッドは17歳でドラフト全体1位指名され、21歳で首位打者となり、25歳で球界最高年俸選手、32歳でMVP3度目の受賞。球史に輝く名選手だが、その後の薬物汚染が球歴を黒い影で覆った。薬物汚染が2度。その弁解はうそ、またうその積み重ね…。揚げ句は、大リーグ機構(MLB)を訴え、さらに自分の味方の選手会まで訴え、無益な法廷闘争。1年間の出場停止処分もある」。そして「試合解説で放送席にいるのは構わない。しかし、殿堂と球場オーナー席の2カ所には、いるべきではない」と厳しい。

 Aロッド、ロペスと組んだ投資家グループは球界事情に暗かった。球界内情アドバイザーはジェフ・ルノー氏、サイン盗みでMLBから1年職務停止中、球団から解任されたアストロズ前GMだ。撤退宣言のグループでロペス1人が闘志満々。「私は諦めません。大リーグ初の女性オーナーを目指します」。メッツ誕生の1962年、初代オーナーはジョアン・パイソン夫人。女性なんですが…。(野次馬)

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