球拾い―大リーグのこぼれ話伝えます―

ヤ軍社長「BLM」支援で“トランプ軍団”と対立

[ 2020年7月26日 05:30 ]

 大リーグ(MLB)は4カ月遅れで23日(日本時間24日)に開幕した。ワシントンとロサンゼルスでの2試合だが、時差で先陣を切ったヤンキース対ナショナルズ戦の開幕セレモニーがよかった。両軍選手が黒いリボンを握って左右のファウルラインに沿って並び、ひざまずいて黙とう。国歌吹奏では立ち上がる者、ひざまずいたままの者、それぞれが国旗に敬意を表した。

 5月に黒人男性が白人警察官に殺され、抗議の「ブラック・ライブズ・マター(=BLM、黒人の命は大切だ)」運動へのサポートだ。「MLBのグラウンド上からの社会的メッセージ発信は異例」とニューヨーク・タイムズ紙が詳報した。

 セレモニーを発案したのは選手たちだ。事件後、プロ、アマを問わず全米の競技団体が続々と「差別撤廃」声明を出したが、MLBのコメント発表は最下位。がっかりした選手の中にジャッジ、スタントンらのヤ軍主力がいて、開幕セレモニー案が生まれた。これに現役、OBの黒人選手がつくる非営利団体(NPO)が支援して球場スクリーンに流す映像などを用意し、MLBと球団のOKが出て、実現した。

 反対の声も上がった。元ニューヨーク市長で現在トランプ大統領の私的弁護士のルドルフ・ジュリアーニ氏が「国と国歌を尊敬しない不届きな行為」と激怒のツイート。実はオープン戦でジャイアンツのゲーブ・キャプラー監督が選手と共に国歌の最中にひざまずいた。トランプ大統領が「ひどい連中」と怒ったのに追従したのだ。

 同じ“トランプ仲間”だが、ヤ軍球団社長のランディ・レバイン氏は反論。「ジュリアーニは完全に間違っている。選手たちの行為は素晴らしかった」。そして、ヤ軍の試合にトランプ大統領を招待すると言った。大統領は応じるだろうか。(野次馬)

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