球拾い―大リーグのこぼれ話伝えます―

サイン盗み“量刑確定”コーラ氏のボストン復帰が見えてきた

[ 2020年4月26日 05:30 ]

 ようやく不法サイン盗み「18年版レッドソックス」への処分を大リーグ機構(MLB)が発表した。人的処分はビデオ担当が職務停止1シーズン(無給)になっただけ。MLBは「選手は罰さない」と約束して自供を集めた「17年版アストロズ」への処分と同じにした。メディア、ファンは「甘い」と怒るが、「この処分はアレックス・コーラ前監督(44)の勝利。来季レ軍に復帰も…」と、ボストンの新聞が予想した。

 コーラ氏は1月、MLBがア軍のGMと監督を1年の職務停止処分にした際、レ軍首脳に辞任を申し入れ、解任となった。17年、ア軍のベンチコーチでサイン盗みに関わった。レ軍に迷惑をかけたくなかったのだ。監督就任1年目のワールドシリーズ制覇で、監督と同じプエルトリコ出身者が市民の30%を占めるボストンのヒーローになった。この辞任(=解任)は「相思相愛の球団と監督の涙の破局」だった。

 そして今、カムバックへの道は「着々と開かれている」と地元紙。今度のレ軍へのMLB処分は「18年のレ軍監督では無罪、17年のア軍ベンチコーチの時のサイン盗みで1年の職務停止」と、レ軍の辞任(=解任)の追認だ。コーラ氏は「ア軍での私の過ちの責任を取る。MLB調査がレ軍監督の私は潔白と証明してくれた。MLBの公正な調査に感謝する」とコメント。サム・ケネディ球団社長は「彼は辞任することで我々にも謝罪した。私は2度目のチャンスの信奉者だ」と復帰が既定路線の口ぶりだ。

 コーラ氏の量刑決定と同時に、1年契約のロン・レネキー監督代行(63)から「代行」の肩書を外したのも復帰を見据えてだろう。仮に新型コロナウイルス感染でレギュラーシーズンが消えても11月で「刑期終了」、何かが起こる。(野次馬)

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