球拾い―大リーグのこぼれ話伝えます―

大リーグ 観客が感染の場合どうする?開幕前に問題山積み

[ 2020年3月22日 05:30 ]

 全米各州でコロナウイルス感染者の増加が止まらない。大リーグ機構(MLB)は、26日(日本時間27日)の開幕日を162試合消化に必要な最終スタート日の4月9日に後退させたが、さらに「早くても5月中旬」に遅らせた。メディアは、5月最終月曜日の25日(同26日)の「戦没将兵追悼記念日」に開幕できれば幸運、とする。開幕日前には、最低2週間から3週間のキャンプが必要だ。米疾病対策センター(CDC)は「50人以上集まる行事は向こう8週間控えてほしい」とガイドラインを示す。少人数の自主練習だけでは試合用の体はつくれない。MLBは、26人と定めるベンチ入り登録選手を増やして対応する構えで、選手会との協議に入った。

 「MLBは今季の試合数削減を口にしないが、162試合消化は不可能と覚悟」とニューヨーク・タイムズ紙。スポーツ・イラストレーテッド誌は「突然の試合数削減は野球協約上、法律上の多くの問題を生む」と指摘する。出来高払い条項をどう調整するか…。国の非常事態宣言での試合数削減だから選手年俸のカットが可能ではないか…。最大の問題は、球場の観客から感染患者が出た場合だ。ボールに当たった負傷者と同じ扱いですむのか。裁判で、感染場所が球場と特定できるのか…。テレビ中継契約やスポンサー契約にも新問題が山積みだ。開幕日が決まる前に、このハードル。

 トランプ大統領の記者会見。「ウイルス検査を受けたいが、有名人やプロスポーツ選手優先でやってもらえない、との声が多い。どう思うか」と問われ、「よくないと思う。だが、何であれそうした事例はある。当事者に聞いてくれ」と大統領。予測不能のパンデミック(世界的大流行)に皆がイラつき、球界の不安も募るばかり。(野次馬)

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