球拾い―大リーグのこぼれ話伝えます―

マイナー側の動きにMLB激怒…交渉はどうなる?

[ 2020年2月2日 09:45 ]

 大リーグ機構(MLB)とマイナーリーグ統括団体が結んでいる選手育成の協定は9月に失効する。MLB各球団が若手育成をマイナー球団にゆだね、経費負担する協定だ。

 MLBの新協定案の柱は、現在162球団あるマイナー球団を120球団に減らす合理化案。42球団が消滅となる。MLBはドラフト指名を1球団40人から20人にする改定を内定、それに伴い1球団が4マイナー球団と契約、5人ずつ指名選手を振り分け、との計算だ。

 驚いたマイナー側は連邦議会にMLBへの圧力を依頼した。有志議員の「削減案再考要請」書簡、大物議員とロブ・マンフレッド・コミッショナーとの会談、そして先週は、民主、共和両党4人の下院議員の「改定案の破棄」を迫る強硬書簡。これにMLBが激怒した。書簡はマイナー側の一方的不満を議員たちにぶつけることで書かれたとMLBはみた。

 マイナーとの交渉責任者ダン・ハレム副コミッショナーは「かねて我々MLBの改定案は公式、非公式を問わず貴団体所属球団に詳細に伝えてきた。にもかかわらず、マイナー側は球団それぞれが勝手な解釈をして混乱を起こしている。意見は交渉のテーブルで表明すべき」とマイナー統括団体のパット・オコーナー会長に書簡で伝え、「直近の2年間だけでも4球団が勝手に本拠地を変え旧本拠地都市に迷惑をかけた」と手厳しい。マイナー側が「球団削減押し付けなら、新スポンサーと契約」とけん制すれば、MLBは「協定なしで各球団独自にマイナー球団と契約」と返す。まるでフランチャイズ本部とコンビニ店主の衝突だ。

 「個人的にはこんな手紙は生産的でないと思うが…」とハレム副コミッショナー自身が言うのだから、語るに落ちた。交渉はどうなるか?(野次馬)

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