球拾い―大リーグのこぼれ話伝えます―

サイン盗み事件泥沼化の様相…アストロズからレッドソックスにも

[ 2020年1月12日 05:30 ]

 大リーグ機構(MLB)によるアストロズのサイン盗み事件の調査が大詰め、と複数メディアが報じた。ア軍がワールドシリーズ(WS)を制した17年、「チームぐるみで相手のサインを盗んでいた」と当時の在籍選手がスポーツ・ネットメディアへ告発した。激怒したMLBは「徹底的に調査し、厳罰に処す」と宣言し、50日をかけて60人超の関係者の聴聞と7万通を超えるEメールの押収で全容をつかんだ、という。

 処罰されるのはフロントだ。ジェフ・ルノーGMとその側近の幹部フロントが主で、職を失うケースも起こりそう。現場ではA・J・ヒンチ監督の責任は免れず、ユニホームを着続けられるか微妙。さすがにオーナーには手が出せず、「球団への罰金を記録的な額に」とMLB関係者。どのメディアも金額を予想できずにいる。ゴーン被告の保釈金15億円ぐらい…と、勝手に予想したくなる。

 このニュースが報じられた7日は、とんでもないニュースが重なった。18年WS勝利球団レッドソックスのサイン盗みの告発だ。

 この年、ベンチ裏のリプレー判定要求の参考にするためのビデオ室に選手が入り、モニター画面の相手バッテリーのサインを盗んでプレーしていた、というのだ。試合中のビデオ室への選手立ち入りは禁止。3人の選手がア軍事件と同じスポーツ・ネットメディアに訴えた。MLBは調査を宣言、レ軍も「調査に協力」と約束。レ軍のアレックス・コーラ監督は、17年はア軍のベンチコーチ、その時の経験を生かしたか。スキャンダルは泥沼の様相を帯びてきた。 (野次馬)

続きを表示

バックナンバー

もっと見る