球拾い―大リーグのこぼれ話伝えます―

伝統あるチームも…マイナー42球団消滅危機

[ 2019年12月8日 09:30 ]

 大リーグ機構(MLB)はルーキーリーグ、1Aのショートシーズン・リーグなどマイナー最下層42球団を提携契約から外す大改革案を発表した。実現すると42球団は存続不可能だ。「消滅球団本拠地の小都市への影響は破滅的」と連邦議会議員100人超が反対書簡をMLBに突き付けた。

 書簡の代表者は民主党のバーニー・サンダース上院議員(78)、「民主社会主義者」を名乗る進歩派だ。16年の大統領選挙でヒラリー・クリントン氏と民主党代表候補の座を争い敗れたが、来年の大統領選挙の民主党代表の指名獲得運動真っ最中。

 名物議員だからだろう。ロブ・マンフレッド・コミッショナーが会談し、その内容をMLBホームページに掲載した。「我々は地域社会での役割を十分理解している。球場施設に公的資金が使われ市民の利益のための運用を我々のプレーが保証する義務も心得ている。我々はマイナーの選手たちにプロにふさわしい待遇を与えたい。改革はそれを目指す。誠実に交渉し解決策を探っていく」と、当たり障りのない話し。「満足した」と名物議員。

 日米野球でレッズが来日した78年、予備取材のついでに3Aのインディアナポリスをのぞいた。オーナーは老夫人で自家用車の屋根にスピーカーを付け試合のPRをしていた。小さな球場のフェンスには出身大リーガーの名が並ぶ。大昔の名選手の名があったので、球団創設年を聞くと1902年という。

 ヤンキース誕生1年後だ。プロ野球誕生の原点を見る思いがした。“消える42球団”の中には1885年創設球団もある。1世紀を超える大リーグとマイナーの関係が一変する。それでも120球団が存続する。「大リーグはまだ懐深い」というべきだろう。(野次馬)

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