球拾い―大リーグのこぼれ話伝えます―

MLB 選手半減もマイナー改革で膨らむ「ドリーム」

[ 2019年11月24日 08:00 ]

 連邦議会の議員たちが、ロブ・マンフレッド・コミッショナー宛てに大リーグ機構(MLB)が目指すマイナーリーグ解体と再編成案に反対する書簡を送りつけた。MLBの改革案ではマイナー120球団が大リーグと提携関係を続け、残る42球団は外され存続の危機、1400人もの選手が職を失う。そんな経済的打撃に加え、「球団消滅は小都市で長く続いてきた野球で結ばれた人々の関係をも破壊しかねない」と指摘し、「巨大な利益を生んでいる国技らしく文化的な立場も考えろ」と言う。

 データ分析で合理的球団経営に突き進むMLB経営者たちが耳を貸すとは思えないが、共和、民主の党派を超えた上下両院100人超の議員が署名した書簡。ダン・ハレム副コミッショナーが「改革で給与、施設、移動手段等、全ての質が向上する」と理解を求めた。

 改革の目的はコストカットだ。選手数に限っても、データは今の選手の数は過剰雇用と教える。8マイナー球団と提携し285人のマイナー選手を抱えるヤンキースに改革計画を当てはめると135人にまで選手を減らせるそうだ。

 各球団40ラウンドのドラフト指名で、今季は1217人が指名されたが、データで指名候補選手を絞りドラフトに臨めば各球団20ラウンド指名の計600人で十分という。確かに、ドラフト候補の実力ランクで上位に挙げられた選手の入団後短期間での大リーグ昇格が目に付く。半面アメリカンドリームが減った。

 改革案でカットされる42球団は、3A、2A、Aの格付けから外れ、新設の「ドリーム・リーグ」に加われる。データ合理主義のMLBもドリーム選手出現を期待したリーグ名だろうか。新体制スタートは21年が目標だ。(野次馬)

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