球拾い―大リーグのこぼれ話伝えます―

監督の地位低下…気の毒な解任理由

[ 2019年10月13日 05:30 ]

 発音が似ているので「監督は首になる(ファイア)ために雇われる(ハイアー)」と言う。今季も移動は激しく、現在8球団が監督不在。監督が消えた理由はさまざまだ。ワールドシリーズ勝利監督での引退がロイヤルズ、ジャイアンツ。勝率5割のフィリーズと負け越しのパイレーツ、パドレス、エンゼルスの4球団は成績不振組。メッツ、カブスは勝ち越したが、プレーオフに進出できなかった責任を取らされた。

 “気の毒”だったのは大谷翔平のエンゼルス、ブラッド・オースマス監督。3年契約のルーキー監督が1年で首になった。カブスがジョー・マドン監督を手放したためだ。マドン氏は、弱小レイズを奇策縦横の采配でくせ者球団にしたばかりか、カブスに移ると108年ぶりにワールドシリーズ勝利をもたらした名将だ。マドン氏はエ軍のマイナー捕手としてプロ生活を始め、スカウト、コーチなど31年間もエ軍組織で働いていた。エ軍はすぐさま面談を行い、監督就任は確実と野球メディア。実は、メッツのミッキー・キャロウェー監督の解任も“マドン・ショック”らしい。18年から3年契約、1年目77勝85敗、今季は86勝76敗と勝ち越したが、「マドンがフリーに」の報にメ軍が動いたのだ。エ軍との獲得競争に勝てるのか…。

 近年のデータ野球で監督はGMのゲームプランの伝達係となり、地位は低下した。パドレス(ナ・リーグ西地区最下位)はマニー・マチャド三塁手、フィリーズ(ナ・リーグ東地区4位)はブライス・ハーパー外野手獲得に300億円超の大金を投資した。ともに10年超の契約だが、初年度は大失敗。両球団の監督解任はフロントの責任転嫁ではないか。監督業はつらいのだ。(野次馬)

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