球拾い―大リーグのこぼれ話伝えます―

レッドソックスの「招待受諾」にホワイトハウス一安心!?

[ 2019年5月5日 05:30 ]

 レッドソックスは6~8日のオリオールズ戦の間に昨シーズンのチャンピオンチームとして、大統領の招待でホワイトハウスを訪問する。恒例の行事だが、“トランプ暴言ショック”があった。

 17年に米国自治連邦区プエルトリコの島々は大ハリケーン「イルマ」と「マリア」に連続して襲われ壊滅的被害を受けた。災害復興は進まず、数カ月たってまとまった集計で死者3000人の報、政府の救援の遅れが指摘された。トランプ大統領は「死者は6人から18人だ」と反論し「多数の死者の数は私をおとしめようとする民主党の集計のため」と付け加えた。

 メディアも国民もあ然とする中で、アレックス・コーラ監督は言った。「私は大統領を尊敬するが、プエルトリコで生まれた私には受け入れがたい発言だ。災害に苦しむ人たちへの同情心を欠いているのではないか」。17年オフ、アストロズのベンチコーチから3年契約でレ軍監督就任を要請された。コーラ新監督が出した条件が「故郷の災害復興活動をしているが、球団として協力してほしい」だ。そんな監督には、大統領の暴言を聞き捨てにできなかった。「私は意見を言うべき立場にいる」と。

 球団は「大統領の招待は受ける」と発表し、参加するかどうかは個人の自由とした。ア・リーグMVPのベッツ外野手やディバース三塁手、ポーセロ投手らが不参加らしいが、大多数の選手が「ホワイトハウスの中が見たい」と喜んだ。コーラ監督は、参加するかどうか明らかにしていないが、ホワイトハウスはホッとしたはずだ。多国籍のスポーツ界は反トランプ色が強い。プロバスケットボールNBA優勝のウォリアーズから招待を断られた“痛手”を挽回できるからだ。(野次馬)

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