球拾い―大リーグのこぼれ話伝えます―

DV騒動 CEO休職…ジ軍再建へまた難題

[ 2019年3月10日 05:30 ]

 ジャイアンツの最高経営責任者(CEO)ラリー・ベアー氏が広場の椅子に座り、携帯電話を手にしたパメラ夫人から電話を奪おうと、激しく争う姿がセレブ情報サイトに流れた。「オー・マイ・ゴッド!」。夫人は叫び、椅子もろとも派手な横転。走り去るベアーCEO…。公共の場のドメスティック・バイオレンス(DV)。

 動画が拡散する中、ジ軍サイトにベアーCEOと夫人連名の謝罪コメント。「家族の問題で争ってしまいました。深く恥じています」。最後に「私たちは幸せな生活を営んでいます」とあるのが笑える。選手のDV事件でも被害者の女性が証言拒否し、警察は“事件”にできないのが通例。冷静になり、仲直りし警察沙汰を避ける知恵だ。

 大リーグ機構(MLB)と選手会は15年から「DV防止規則」を定め、違反選手には出場停止、その期間の年俸停止(罰金に相当)、数十時間のカウンセリング受講などを科し、厳しく対応する。MLBは「社会的に容認されない行為。直ちに調査開始」とコメント。ジ軍も全面協力を約し、警察は動画を基に捜査を開始した。形勢不利とみたベアー氏は1日置いて、「反省し考える時間が欲しい」と休職を申し出て重役会に認められた。

 今季はジ軍には難しい年だ。07年から指揮を執るブルース・ボウチー監督は今季終了後に引退する。10、12、14年と3度ワールドシリーズを制したが、この成功が生んだ高年俸選手たちは力が落ち、若手との入れ替えが急務だ。チーム再建の指揮を執るCEOの休職。いつまで休むのか。差し止めの年俸金額も気になる。後任監督は…。さらにMLBは独自の制裁を下すのか。メディアとファンを刺激する“興味ある話題”も積み上がった。(野次馬)

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