球拾い―大リーグのこぼれ話伝えます―

期待外れ目立つFA契約選手…今オフのハーパーは?

[ 2018年7月22日 05:30 ]

 ホームランが飛び交った球宴の舞台裏でフリーエージェント(FA)を巡る労使の火花が散っていた…。今オフのFAの目玉は本塁打競争に勝ったナショナルズのブライス・ハーパー外野手(25)だ。前半戦(以下同)の打率は・214と低いが、6年で3割が2度。新人王、シーズンMVPの“勲章”もある。本人も「54打点、78四死球、23本塁打は上々。オフにはナ軍を離れるかも」と言い、スコット・ボラス代理人も「打率が問題にされることはない」と大型契約に自信を見せる。

 変形シフトで球界全体の打率が下がった。前半戦の大リーグ全体の打率・247は72年にア・リーグがDH制を採用して以来最低だ。投手も打者も力勝負で、本塁打か三振かの野球だが、昨季から1試合当たり1735人の観客が減った。30球団のうち21球団がマイナスだ。「昨オフ、数球団がベテラン選手を引き留めず、補強はなし。当然ファンは離れる」とボラス代理人。選手会のトニー・クラーク専務理事は、「補強用の機構(MLB)からの利益分配金を使っていない」と4球団を調停委員会に提訴した。だが、問題視したレイズ、アスレチックスが快調、パイレーツも勝率5割。低迷はマーリンズだけ、MLBは「提訴を取り下げろ」と逆襲中。

 選手会の不満は昨オフのFA契約の低調さにある。FAの契約は遅れ、開幕直前まで途切れ途切れの成立だ。選手会は「FAへの攻撃」と怒り、MLBは「球団のFA実力の精査の結果」と反論した。確かにFA契約選手の成績は期待に程遠い。野手最高の8年総額約161億円でパドレス入りの内野手ホスマーは打率・249、10本塁打、故障離脱中のダルビッシュ(6年総額約141億円、1勝)も、容赦なく失敗FAリストに入れて報じるメディアもある。

 MLBは労使との論争は外交辞令でかわすのが通例だが、今回は露骨。試合時間短縮に腰が重い選手会にMLBがキレた、との説もあるのだが…。 (野次馬)

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