球拾い―大リーグのこぼれ話伝えます―

結局旧名に戻す?味気ない「ヤーキー・ウエー」改名案

[ 2018年4月29日 05:30 ]

 ボストン市は先日、レッドソックスのホーム球場フェンウェイ・パークに接する道路「ヤーキー・ウエー」の名称変更を認めた。道路の名はベーブ・ルースをヤンキースに放出し低迷したレ軍を買い取り、43年間チームを所有して名門を復活させた殿堂入りオーナー、トム・ヤーキー氏をたたえてのもの。ヤーキー氏が亡くなった翌年の1977年のことだ。さらに「ヤーキー財団」がある。奨学金制度、病院の建設、一番有名なのは小児がんの治療研究への援助だが、数多くの慈善活動が財団を通じ、またヤーキー氏個人の匿名で続けられてきた。財団がこれまで拠出したボストン市のさまざまな団体への寄付金の総額は320億円超という。

 富豪で、慈善事業家で、地元球団の所有者で、練習する選手と一緒に体を動かす親しい存在。まさに理想のオーナー像だが、黒人選手を迎えるのが遅れた。ジャッキー・ロビンソンがドジャースと契約してから12年後の1959年、レ軍はようやく黒人選手と契約した。大リーグで一番遅かった。ヤーキー氏が「人種差別主義者」だったから、というのだ。

 昨年夏、南部の州で白人至上主義の団体とそれに反対する人たちとが衝突する事件が起こった。レ軍の現オーナー、ジョン・ヘンリー氏は「球団を買収して15年、ずっと道路名の変更を考えてきた」といった。そして2月、レ軍は市に道路名変更の可否を問い、「変更許可」の裁定を得た。

 ヤーキー財団は「黒人選手との契約が遅かったのは残念だが、ヤーキー氏のチームとボストン市への多大な貢献を無視する行為」と声明を出した。ファンの反応は「改名やむなし」が多数。ヤーキー氏の名が付く前の旧名ジャージー・ストリートに戻す案が有力だが、いかにも味気ない。レ軍の名選手の中からファン投票で選べば、と思うが、どうだろう。 (野次馬)

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