球拾い―大リーグのこぼれ話伝えます―

“投球20秒ルール”影響は打者にも

[ 2017年11月26日 05:30 ]

 野球規則は毎年変わる。来季の目玉は「投手は、走者がいない時の投球を20秒以内に済ませること」。これはロブ・マンフレッド・コミッショナーが強力に推進している“ペース・オブ・プレー”、試合時間短縮策の一つだ。すでにマイナーリーグは「投球間隔20秒」で3シーズンやってきた。新ルールはマイナーで一定期間テストし、よほどの不都合がない限り、大リーグでも採用、というのが大リーグ機構(MLB)と選手会の大筋合意なのだ。

 8月にMLBと選手会の非公式会議が持たれたが、選手たちは「18年シーズンに採用だな」と諦めムードだったという。交渉の余地が多少あるなら「22秒あるいは24秒にしてほしい」と投手たち。しかし、MLBは20秒で固まっている。投手たちのささやかな希望を無視して“20秒ルール”を採用するだろう。新しいファン層開拓は若者たちの目を野球に向けること、それにはスピーディーな試合…という球界挙げてのプロモーションに選手会は押されるばかり。

 この動きを伝えたスポーツ専門局ESPNは、野球記録サイトのデータを引用し、今季の防御率上位の先発投手で投球間隔20秒以上は一人もいなかったとした。全投手の平均は23・5秒というから、きびきびした投球間隔の投手が成績上位ということだ。投球間隔が最も長かったのはドジャースの救援投手ペドロ・バエスの31・1秒。新ルールで影響を受けるのは投手だけではない。打者も打席を外し、手袋をはめ直し、足場を固め…。バットを構えるまでが最も遅いのがアストロズの外野手マーウィン・ゴンザレスの29・5秒とか。投手も打者も体に染みついたルーティンがある。習慣を変えるのは難しいのではなかろうか。大谷翔平は大丈夫だろうか?(野次馬)

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