球拾い―大リーグのこぼれ話伝えます―

プレーオフ飾る「応援タオル」の事情は“いろいろ”

[ 2017年10月8日 05:30 ]

 熱戦のプレーオフだが、各球場でファンが打ち振るラリー(応援)タオルの話でちょっと一息。プレーオフ用の応援タオルの準備は5月からアジアの国々で始まる。発注主は大リーグ関連商品開発と販促を受け持つ代理店、長い社名の短縮形「BDA」と呼ばれる会社だ。

 BDA社では、7月に1回、9月に2回その時点のチーム順位でプレーオフ進出チームを予想し製造数を絞っていく。9月初めBDA社の予想でプレーオフ進出可能と判断した18チームにタオル注文の締め切り日を知らせた。タオルの色は球団が決めるが、球団同士で色のやりくりをすることもある。15、16年と連続してア・リーグ地区シリーズでブルージェイズと対戦したレンジャーズでは、シーズン中の青の応援タオルを赤に変えた。ブ軍の青との競合を避けたのだ。

 「ボールが見にくい」との理由で禁止されている白い応援タオルを使用したチームがある。14年、8月末に2番目のワイルドカードで4・5ゲームも離されていたロイヤルズがワールドシリーズ(ジャイアンツに負けた)まで勝ち進んだ。大穴チームだったから、ロイヤルブルーのタオルは間に合わず、ロイヤルズのホーム試合のスタンドは白いタオルの大波だ。大リーグ機構(MLB)はこの違反に目をつぶってくれた。実は色付きタオルの値段は1枚1ドル30セント(約150円)、白いタオルは1ドル(約113円)以下。1試合当たり5万人の入場者に配るタオルだから、ロイヤルズには経費削減だった。

 今季のワールドシリーズがナショナルズ対インディアンスの対決になると応援タオルはともに「赤」。「どちらかが第2希望の色に変えない限り、130万枚の赤タオルが必要。BDA社はすでに準備完了」とニューヨーク・タイムズ紙は報じた。 (野次馬)

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