球拾い―大リーグのこぼれ話伝えます―

火の車マーリンズオーナーの希望は“賭け”の合法化?

[ 2017年6月4日 05:30 ]

 イチロー所属のマーリンズの売却話が止まったままだ。口火は2月にトランプ大統領の娘婿で大統領の上級顧問を務めるクシュナー氏一族が16億ドル(約1760億円)で買収との報道だ。マ軍オーナーのジェフリー・ロリア氏にはフランス大使の椅子が用意され、という怪しい話。当然ながら話はすぐに消え、4月末に2つの買収グループが登場した。

 有力視されたのが元ヤンキースのデレク・ジーター氏と前フロリダ州知事のジェブ・ブッシュ氏のグループ。スーパースターと父、兄が大統領を務めた大物政治家のコンビで盛り上がったが、主導権争いでブッシュ氏が撤退した。このためジーター・グループは、資金不足に陥った。対するのが元大統領候補の政治家ミット・ロムニー氏の息子タグ・ロムニー氏と元ブレーブスの左腕トム・グラビン氏らが結成したグループ。こちらも資金不足という。マ軍の売値は13億ドル(約1430億円)に値下げされたのだが、何ともさえない話になってしまった。

 ロリア氏は焦っているそうだ。マイアミ市の税金を使って建てた新球場が市議会で政治問題化。負債支払いに必要な資金を得ようとロリア氏が結んだテレビ契約が失敗し球団経営は火の車だ。赤字のエクスポズ(現ナショナルズ)を安く買収、高値で転売してマーリンズに乗り換えた“球団転がし”で富を手にしたロリア氏も追い込まれた。

 メディアの予想するロリア氏の選択肢は、さらに売値を下げる、今季は売るのをやめ来季に再売り出し。大穴予想は、連邦議会で審議中のプロスポーツへの賭けを認める法案の成立だ。ネット上の賭けで海外に流出する賭け金を止めるのが名目。大リーグに賭けが可能になれば人気は爆発、全球団の価値が高騰し、ロリア氏も大もうけ、というのだが…。 (野次馬)

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