球拾い―大リーグのこぼれ話伝えます―

観客減少…ヤンキースの若者ファン取り込み作戦

[ 2017年5月28日 05:30 ]

 今季も4分の1を過ぎた。苦戦の予想に反してヤンキースはア・リーグ東地区の首位にいる。ゲーリー・サンチェス捕手(24)、スターリン・カストロ内野手(27)ら若手の活躍によるが、中でも2メートルを超える長身外野手アーロン・ジャッジ(25)の強打は目を見張る。昨季8月以降に昇格させた“ベビー・ボンバーズ=赤ちゃん爆撃隊”が球場のあるブロンクス地区の名を付けた伝統の“ブロンクス爆撃隊”に育ちつつある。さぞや球場も熱気にあふれ…、ところが当てが外れた。

 ニューヨーク・タイムズ紙によると新球場が誕生しワールドシリーズに勝った09年以後、昨季までの7年間の入場収入の合計減収額は約184億円(1ドル=111円換算)。観客動員は王座に就いた翌年の10年がピークで377万人、昨季は新球場では最低の306万人。今季のファンの出足はさらに悪く、昨季の四半期に比べ14億円の減収だ。経営自体はスポーツ・レストランや独自のテレビ局を持つなど多角経営で安定している。だが、野球で多数の空席ではイメージダウン。力を入れるのは若いファンの獲得だ。

 昨年9月の対ドジャース戦、左翼外野席に数千人のド軍ファンが詰めかけた。ならば相手チームのファン用の席もつくっては、そんなアイデアも出た。若者を対象にした市場調査で、観戦を決めるのは試合開始直前とのデータを基に、1700円以下の当日売り入場券を20万枚(1試合当たり2500枚)準備した。バックスクリーン横のセンターの2100席の座席を外し立ち見の“広場”にした。これも他球団の球場がお手本だ。「名門」と空念仏の「常勝」だけでは商売にならないのにようやく気が付いた? (野次馬)

続きを表示

バックナンバー

もっと見る