球拾い―大リーグのこぼれ話伝えます―

トランプ大統領 始球式辞退は経費節約のため!?

[ 2017年4月9日 05:30 ]

 ナショナルズは、3日のホーム開幕戦の始球式にトランプ大統領を招待した。首都ワシントンのチーム恒例の儀式だ。大統領は辞退。「来たら大ブーイングの嵐だ。昨年の大統領選挙で住民の94%がヒラリー・クリントンに投票した。トランプも分かっていたようだ」。そんな市民の声を地元紙は伝えた。“トランプ反対”のプラカードを持ち込むファンもいる。ナ軍は辞退にホッとした。

 大統領の欠席は過去にもあった。珍しいことではないが、その後もトランプ氏と野球の話がメディアをにぎわせた。あら探しの気配も感じられた。しかし、アップされたネット情報では、野球の腕前はなかなかだ。ニューヨークのミリタリー・アカデミー(軍隊式の高等学校)在学当時は「ニューヨークでベストの選手だった」(選挙運動中のトランプ氏のツイッター)。これは事実で、打撃でも守備でも目立つ一塁手だった。詩も書いていた。「私は観衆の声援を聞くのが好きだ。耳をつんざく大声援が。スコアは5―5、泣きそうになる感じ。相手が1点追加、死にたい気分」。フィリーズが熱心に誘い、レッドソックスも関心を持った。「当時(1960年代)野球で大金を得るのは難しかった。それで大学に進んだ」(ローリング・ストーン誌のインタビューで)。トランプ氏の青春はこわもての今とは別人だ。

 始球式辞退で最も救われたのは警護のシークレット・サービスだ。始球式の大統領はシャツの下に防弾チョッキを着る。準備は数日前から始め、球場と周辺のビル、ヘリにも警備官を配置する。数分の儀式を守る費用は1億円に迫るとか。オバマ氏に比べ警護費用が掛かりすぎと大統領就任以来批判を浴びるトランプ氏。始球式辞退は経費節約のため…? (野次馬)

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