球拾い―大リーグのこぼれ話伝えます―

ヤンキースのトランプ?球団社長暴言で年俸調停後に“溝”

[ 2017年2月26日 05:30 ]

 ヤンキースのデリン・ベタンセス投手(28)が年俸調停で負けた。希望額は500万ドル(約5億6500万円)だが、調停委は球団提示の300万ドル(約3億3900万円)に軍配を上げた。3年連続球宴出場、メディアの評価は「現役最高の中継ぎ」。しかも、年俸は大リーグ年俸最低保証の50万2100ドル(約5670万円)だ。大リーグ在籍3年で得た初調停で勝つ自信はあったはず。手痛い敗北だった。

 調停後は、感情的な対立を残さないよう、球団も選手も互いに配慮するのが通例だが、ランディ・レバイン球団社長は勝ち誇った。「ベタンセスは代理人ジム・マレーに操られた。たいした実績もないのに高額年俸を狙う道具にされた。私が宇宙飛行士でないのと同じく、ベタンセスはクローザーでなく平凡な中継ぎ投手にすぎない」

 メディアも選手会も、すぐ批判した。「本塁打した後、バットを空中高く放り投げ相手投手を侮辱するに等しい発言だ」。マレー代理人は「調停で勝った球団社長が、選手の悪口を言う記者会見を開くとは前代未聞」と怒った。ベタンセスも「裁定の負けは仕方ない。しかし、あの発言はひどい。監督の望み通りに投げてきたが、これからは自分の希望も言う…」。

 昨季プレーオフ進出を逃したヤ軍が9月まで食い下がれたのは、ベタンセスの回をまたぐ救援や緊急抑え登板があってこそだ。マレー代理人のエージェント会社は田中をはじめ、ヤ軍の6選手を抱えている。「今季に悪影響が出かねない暴言」と指摘する地元メディアもあった。

 レバイン社長は、トランプ大統領と親しく、マンフレッド・コミッショナーを連れ、トランプタワーに出入りする舞い上がった姿が報じられてもいた。性格も大統領似なのだろうか? (野次馬)

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