下柳剛のシモネタ発見

下柳流プレッシャーとの付き合い方 最悪の場面を想像 そこから少しずつ…

[ 2015年2月23日 05:30 ]

 スポニチアネックス読者のみなさん、ご機嫌いかがですかな? どうも~下柳です。

 先週は古巣・阪神の宜野座キャンプを訪問してきました。福原にしても、能見にしても順調そうな仕上がりやったけど、同郷・長崎県の後輩にあたる江越も元気やったね。オフの長崎県人会でもいろいろと話しをしたけど、ほんまにエエやつ。開幕1軍はもちろん、開幕スタメンも目指して頑張ってほしいよね。

 さて、先週はイメージトレーニングについて書かせてもらったけど、今週はプレッシャーとの付き合い方について書かせてもらうことにしようかな。

 読者のみなさんにも経験があるでしょう。たとえば入学試験だったり、営業部の大きなプレゼンだったり。自分にとって大事な場面になればなるほど、プレッシャーというのは大きくなるよね。

 それは、プロ野球選手だって同じ。勝てば優勝が決まる一戦、3勝3敗で迎えた日本シリーズの第7戦…。オレはそんな時、一番やってはいけないこと、あるいは最悪の場面を想像するようにしていた。

 たとえば、中日戦の終盤、同点で迎えた2死満塁。打席にはタイロン・ウッズが入ったとしよう。そこでまず、オレが考えたのは「ウッズがホームランを一番打ちやすいコースどこで球種は何か?」ということ。そこから導き出される答えは外角から甘く入ってくるスライダー。オレがそのボールを投げると、ウッズには間違いなくスタンドへ放り込まれてしまう。

 それを自分なりに意識することができれば、「そこにさえ投げなければ満塁ホームランはないわい」と考えることができる。あれほど恐怖心を感じていたはずが、不思議なことに少し安心でき、気持ちも自然とゆるむ。

 そうやって少しずつ、自分の気持ちを楽にしていけばいいんじゃないのかな。「絶対に投げてはいけないコースから少し内側へ投げるだけで、ファウルになる。そうすればカウントを稼げるやんか」。そう思うことで、また少し気持ちが楽になる。

 次に「ウッズがヒットを打つ可能性が高いコースはどこや?」と基準を少しずつ上げていけばいい。そうなると、最終的に「空振りを奪うために投げるコース、球種は?」という考えにたどり着くことができるんや。

 現役時代、試合前はいつも複雑な心境やったよね。もちろん「よし、この試合は絶対勝ったる!」という強い気持ちがあるんやけど、その一方でとてつもないプレッシャーも感じ取った。みなさん、少し想像してみてください。甲子園球場の4万8000人大観衆が自分のパフォーマンスにどよめき、打たれた場合は大きなため息をつかれる…。4万8000人のため息って、結構こたえますよ。ほんまに(笑)。

 だから、ある時から、そんな重圧とうまく向き合うために、チームメートの前ではあえて「ああ緊張するわ」とこぼすようにしとった。同じチームにはおらんかったし、他のチームを探してもまあおらんわね。そんなピッチャー。

 ダイエー、日本ハムにいた若い頃は、緊張する素振りは絶対に見せんかった。格好付けて。「オレは全~然、緊張なんかしませんよ」って雰囲気出して。

 でも、そんなやせ我慢をしても、なんにもならない。ハッキリ言って、この上ないムダな労力!それやったら、正直に「あかん、めっちゃ緊張しとる」と打ち明け、格好付けるために使っていた力をマウンドへ持っていく方がよっぽどタメになる。あるとき、そのことに気がついてから、オレは強がることを止めた。「ビビッとる」「う~、やばい、やばい」と意識して、話すように自分を変えていった。「自分は自分やから飾らなくていい」という気持ちやね。

 人間は生まれつき、恐怖心を持っているから、元々最悪の結果を想像するようにできている。そうであるならば、無理矢理プラス思考を心がけるのは得策やない。逆に最悪の場面から想起すればいい! 以上、下柳でした。では、また来週会いましょう!

 

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