下柳剛のシモネタ発見

メジャーにもいない?ローマ法王に頭を撫でてもらったプロ野球選手

[ 2014年5月5日 05:30 ]

 ゴールデンウィークも後半ですが、スポニチアネックス読者のみなさまいかがお過ごしでしょうか? どうも、下柳です。本日5月5日は、こどもの日ですな。ということで、小さい頃の思い出話をいくつか書かせてもらいますわ。

 オレの野球人生は、ソフトボールから始まったんよ。そもそもは3つ上の兄・洋が友達に誘われた。当時、オレは小学2年ぐらいやったんかな。

 長崎でもたまに放送されていた巨人戦のテレビ中継や、それこそアニメ「巨人の星」を観とったこともあってね。おもしろそうやから、兄貴達にオレもついて行ったわけ。

 ただ、ソフトボールと言っても、ちゃんとしたチームのものではなくてな。近所の空き地で、みんなが集まってやる遊びの延長。で、いざ仲間に入れてもらったら、兄貴なんかよりオレの方が断然上手かった。それからは兄貴やのうて、オレが誘われるようになったんやけどな。

 もちろん、今と変わらず左投げ左打ち。さっきも書いたけど、遊びの延長でやっとったから、まあ楽しかった。

 町内のチームへ入って、真剣にソフトをやり始めたのは小学5年生ぐらいになってからや。ポジションはやっぱり、ピッチャー。と言っても周りに速いボールを投げる選手はようけおったから、オレは決して速球派ではなかった。

 そうそう、一つ印象深いのは、始めてしばらくは右投げ用のグラブを使っとったことやね。右投げだった兄貴のお下がり。それを左投げのオレが使うんやから、どう考えても使い勝手は悪いわな。

 「頼む父ちゃん、買ってくれ!」

 何度も何度も懇願したけど、なかなか首を縦に振ってはもらえんかった。当時は分からんけど、今思うにオレのやる気を試していた部分もあるんやろうね。

 大体、子供が言うことやから、いつまで「ソフト熱」が続くか分からん。時間をかけて、見極めをしとったんやろう。そういう状態が何ヶ月も続いて、ようやく「買いに行こう」ということになった。真面目に取り組んどるのが、親なりに伝わってきたんやろうな。

 それはもう、嬉しかったよ。あのグラブ独特の臭いに、何とも言えない良さがあってね。大事に、大事に。かなりの間、寝るときも布団の中に持って入るぐらいやった。しかも、待ちに待った左投げ用のグラブ。使いやすいのはもちろんやけど、それ以上に待ち焦がれた分、すごく愛着が沸いたよね。

 小さい頃のソフトボール以外の遊びといえば、海と山になるわな。長崎県出身のオレにとって、海も山もすごく身近な存在。実際、家からちょっと行ったところには両方ともあったからね。

 海ではもっぱら釣りをしとったね。魚つながりで書けば、おやつはお菓子なんかやない。いりこと煮干し。家で食べるだけやのうて、小さな袋に煮干しを詰めて持ち歩くぐらいやった。

 小腹が空いたな、と思ったらポケットから袋を取り出して食べる。長年、プロ野球の第一線で活躍できたのも煮干しのおかげもあるんやない。骨格の強さの源になってくれたのは、ほぼ間違いないわ。

 最後は、ほとんど知られてないエピソードを書かせてもらおうかな。

 オレの家はカトリックを信仰していたんや。で、今回改めて調べなおしてみると、1981年2月23日にローマ教皇としては初めて、ヨハネ・パウロ2世が来日された。オレは小学校6年の卒業間近やね。

 当時、オレが住んでいた長崎市内にはアジア一大きい教会があった。オレは中学までは日曜学校へ通っていたこともあって、ヨハネ・パウロ2世が来られる教会へ出向いていった。

 そしたら、その校区に住むカトリックの子供たちが整列させられた。ヨハネ・パウロ2世が歩かれる、赤い絨毯(じゅうたん)の真横にね。

 しばらく待っていると、ヨハネ・パウロ2世がオレの目の前に現れた。オレたちの方に歩み寄られると、何と一人一人の頭を撫でてくださった。日本のプロ野球はもちろん、メジャー・リーガーでもそうはいないやろう。ローマ法王に頭を撫でてもらったことのある、プロ野球選手は。

 でも、本当にビックリしたし、感激もした。ものすごくすごい名誉なことだし、誰もが経験できることやない。今でも、その手の感触ははっきりと覚えてる。30年以上も前のことやけどね。

 感激したのは、端でその光景を見ていた両親も同じやった。なんたって、ヨハネ・パウロ2世の来日に合わせて、オレの親父は当時ではまだ珍しかったビデオカメラ、ビデオデッキの両方を買いそろえたぐらいやったからね。

 そら、感激するのは無理ないけど、そのあとがちょっと大変やった。その撫でられた部分の髪の毛を切られそうになってな。「嫌や、嫌や」と必死に抵抗したわ。結局は切られずに、済んだけどね。

 あの日は長崎ではめったいにない、雪が降ってね。いま思い出しても、どこか幻想的な一日やったよ。

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