下柳剛のシモネタ発見

敵地で先発、味方が初回に大量点…これが意外に困るんだ

[ 2014年4月28日 05:30 ]

 ご機嫌いかがでしょうか? どうも、下柳です。今週のコラムは前週からの続きですな。前回は先発投手における「中6日」の過ごし方を紹介したので、今回は登板当日にスポットライトを当ててみますわ。

 まず、当日はホーム、ビジター関係なく、起床後は30~40分の散歩が日課やったね。
甲子園で試合の場合はラガー達を連れ出してな。遠征中はホテルの周囲を、よう歩いたよ。特に、ドーム球場で試合をする場合は、日光に当たらない分、体が起きにくい。だからこそ、日差しを受けながらの散歩が重要になるんだよ。

 当日は食事も極力控えとったよね。お腹(なか)いっぱいになってしまうと、血液が胃へ流れてしまうから、逆に頭の方へはいかなくなってしまう。そうしたら、眠たくなってしまうでしょ?ということで、甲子園や京セラで登板する日はお昼に大勝軒へ行っとった。西宮にあった名店やね。今は東京へ移転してしまったけど。というか、店の名前も、勝負事には向いているやろう。で、そこで「つけ麺(めん)」の普通サイズを頂く。試合開始までは、これっきりですわ。

 ビジターのときも、昼すぎ、普段より遅めにホテルで昼食を済ませていたね。もちろん、もう、これっきり。本来、ビジターの際は球場で食事が用意されているんや。でも、そこでは、一切、食べない。マネジャーに頼んで、登板後にすぐ食べられる分をキープしとってもらっとったけど。その日の練習メニューはアップ、ジョグ、その後にキャッチボールしてな。

 これは、あんまり知られてないかもしれんけど、登板前にマッサージを受けていた。そこで10~20分間の仮眠をとっていたんや。なぜかと言えば、人間は極度に緊張してしまうと、眠気が襲ってきてしまう。そこで一端、仮眠をとることで、頭の中をクリアにするんやね。ブルペンに入る時間から逆算して、必ず眠るようにしとったよ。

 それからブルペンへ入る。まあ、目的は全球種のチェックやね。対戦チームの1~3番をシミュレーションして。いよいよ、マウンドへ向かうわけや。本拠地のときは、時間が決まっているから何の問題もないけれど、意外と難しいのがビジターの時。なぜだか、分かります?つまり、味方チームの初回の攻撃時間は、いざ始まってみないと分からんやろう。

 どうしても試合開始直前に投球練習は終わるから、あとはベンチ前のキャッチボールしかない。点が入ることはもちろんうれしいけど、これが3、4点以上になると少し事情が変わってくる。そう、間延びしてしまうんよね。ずっとベンチ前でキャッチボールしているわけにもいかない。そういった物理的なことだけでなく、テンションを上げているんやから、気持ちの面でも難しい。

 5、6点が入るようなことになれば、野手のみんなには大変申し訳ないけど「はよう、投げさせてくれ~」と思っていたよね。もしくは「どうせなら、イニングを分けて取ってよ」とか。

 試合への入り方って、何年プロ野球をやっても凄く難しい。ましてや、経験すればするほど立ち上がりは難しくなる。得点が入ったときほど、矢野ときっちり確認しながら立ち上がりに臨んだよね。試合が始まった後は、食べてもバナナとか果物ジュースぐらいやったかな。果糖は取らないといけないからね。そんなこんなで入念に準備をして先発を迎えるんやから、試合が終われば一気に気が抜けるよね。加えて、ろくに食べ物も食べとらんから、当然、血糖値も下がっとる。

 で、体はどうなるか。実は試合終了直後なんかは、激しい頭痛のピークやったね。そこで、特に阪神移籍後は記者の人にぐわっと囲まれる。俺は阪神へ移籍してから、記者の人に恐れられとったかもしれんけど、そりゃあ、怒りたくもなるで。めちゃめちゃ頭痛いとき、いろいろ聞かれるんやから。もちろん、記者の人も仕事でやっていることは理解しとったから、精いっぱい答えたつもりやったけどね。でも、舞台裏では、そんな事情もあったんですわ。

 最後に。先発期間の調整で言えば、カーボ・ローディングも取り入れていたよね。体内のエネルギー源を一端、全部燃やし尽くすために、炭水化物を取らない。で、登板2日前から、炭水化物を再び取り始める。これにより、通常よりも炭水化物の吸収率がアップするわけ。効率よくグリコーゲンを貯蔵できるから、その分、エネルギーの枯渇(こかつ)を抑えられるんや。

 日本ハム時代のトレーニングコーチから教わって、阪神時代もやっとったよ。体が疲れているというか、スタミナ不足のときはそんな調整をしとったね。

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