下柳剛のシモネタ発見

頑張れ、大島高校!07年オフから奄美大島で自主トレ

[ 2014年3月17日 05:30 ]

 選抜高校野球の組み合わせ抽選も決まりましたな。どうも、下柳です。阪神にとっては、この時期、高校球児に甲子園球場を明け渡すわけやけど、個人的にはすごく今回の選抜を楽しみにしてるんや。

 その理由は21世紀枠として初出場を決めた、鹿児島・大島高校。自分の母校ではないけど、何と言ってもオレが自主トレで長年お世話になった奄美大島にある学校やからね。応援にも力が入るというこっちゃ。

 ということで、今回と次回は奄美大島の思い出について書きますわ。

 まず、奄美で自主トレを行うようになった経緯から言うと、その前年、つまり2006年オフは石垣島と沖縄本島を拠点にしとった。だけど、そこで思わぬ、事態が起きてしまった。

 発端は石垣へ向かう飛行機でね。当然、ラガーも同行させたんやけど、これがね…。

 フライトの間中、貨物室にいたラガーの声が、ずっ~とオレのところまで聞こえてきたんや。いま思い出しても、可哀想なぐらい吠えに吠えた。

 犬はただでさえ、聞こえてくる音や揺れ、暗さだけやなく、湿度、温度、気圧の変化、匂いなどに対してとても敏感と言われとる。それが、飛行機の貨物室ともなれば…。もちろん、航空会社の方々も可能な限り快適な空間を提供してくれてたんやけどね。

 そのラガーの声を聞きながら、石垣に着く前には「来年は場所を選びなおさなアカン」と思ってたよね。

 で、いろいろ調べているうちに、鹿児島市から南西約370キロに位置している奄美大島には船で約12時間あれば行けることが分かった。船ならラガーも怖がることもない。それに、気候は温暖やし、本格的な陸上競技場だけでなく、野球場も隣接していた。そこで2007年のオフから、奄美大島で自主トレを始めることになったんよ。

 行ってみて分かったのは、島の人たちはみ~んな義理人情にあつい人たちばかり。定宿にしていたビッグマリン奄美の向井社長には、いろんな面でお世話になった。ここなら、ラガーも一緒に泊まれたしね。

 実は奄美へ行った年に、こんなことがあった。全国各地にあるように、猛虎会があってね。そこの方々から、食事会の打診があった。

 ただ、オレがなぜ、石垣や奄美で自主トレをしていたかというと、やっぱりトレーニングに集中したかったから。大阪にいる間も、なれ合いが嫌で、阪神ファンの方々と個人的に親しくさせてもらうこともしてなかったし、申し訳ないとは思いつつもお断りさせてもらった。

 普通やったら、その人たちも、あんまりいい気はせんと思う。だって、それまでも、いろいろと協力してくれとったんやからね。

 でも、そういうことがあっても、奄美の人たちは以前と変わらずオレを応援してくれた。練習時に差し入れをしてもらったことも何度もあったし、その一方で、食事会の打診は2度となかった。そこに人情を感じてね。素晴らしい環境だけでなく、どんどん年を追うごとに、奄美の人たちを好きになっていった。

 大島高校に話しを戻そう。奄美で一番の進学校。まさに、文武両道やね。21世紀枠といえど、去年の秋季大会では名門・樟南にも勝っている。九州大会には出ていないけど、強豪ぞろいの鹿児島県でのベスト4は、相手チームも決して侮れないやろう。

 そうそう、そういえば、オレが行きつけにしとった炊き肉店「牛ちゃん」の大将が、大島高校のOB。今は那覇市に移転してしまったんやけど、ここがまあ、旨くてね。

 炊き肉って聞き慣れないと思うから少し説明しておくと、鹿児島県発祥の郷土料理。真ん中がへこんだ鉄板の上で、黒毛和牛や豚肉、野菜を特製のダシでぐつぐつと煮込む。那覇へ移転してからは、矢野(燿大)だけやなく、他球団の野球選手にもかなりリピーターがおるらしい。商売っ気のないお店やから宣伝とかほんまにせんけど、口コミで広まっていったみたいやね。

 話しが逸れてしまったけど、大島高校には奄美旋風を巻き起こしてほしい。元々、山と海に囲まれた大自然の中で育っている子供たち。身体能力というか、都会の子たちよりも芯は強いんじゃないかな。

 離島というハンディを克服した精神力の強さもあるだろうし、そういうものを乗り越えてきた苦労というのかな。それらのすべてを、甲子園ではぶつけてほしいと思っている。

 相手は高校野球界の超名門・龍谷大平安高校か。負けてもともと、チャレンジャー精神でぶつかるしかないわね。

 いまのところ、1回戦が予定されている25日はロケが入っとるから、応援には行かれへん。だから、何としても初戦突破してもらって、次戦はアルプスで応援したいよね。知り合いの人もいっぱい来るやろうし。「牛ちゃん」の大将も、駆けつけるとか。

 頑張れ、大島高校!

続きを表示

バックナンバー

もっと見る