日めくりプロ野球 7月

【7月31日】2005年(平17) 楽天 待望の月間初勝ち越し 有銘兼久歴史的初勝利

[ 2010年7月1日 06:00 ]

 【楽天4―0西武】開幕から96試合目。楽天・田尾安志監督が開幕戦で勝って以来と言っていいくらい満面の笑みを浮かべた。
 「大きな目標というか、夢だった」。7月の月間成績は10勝9敗1分け。球団創立1年目、シーズン5カ月目にして初めてわずか1勝ながら月間勝ち越しを決めた。

 3月1勝4敗、4月5勝19敗、5月7勝18敗、6月8勝14敗…。決してほめられる数字ではなかったが、成績は徐々に良くなりつつあった。手応えを感じながら迎えた夏だったが、月末の30、31日に敵地で西武に連勝。気がつけばライオンズにも対戦成績7勝6敗で勝ち越していた。
 田尾監督と球団に夢の実現をもたらしたのが、4年目の左腕有銘兼久投手だった。5安打3四球7三振で西武を完封。楽天にとっても球団初完封だったが、有銘自身もプロ60試合目にして初のシャットアウト。それどころか4年目の初勝利が歴史的な1勝となった。 「打たれたら代えるだけだからな」と田尾監督に言われてのマウンド。敗戦処理、2軍降格からはい上がってつかみ取った3試合目の先発は必死だった。最大のピンチは6回。1死一、二塁で打席に4番アレックス・カブレラ一塁手の場面。「自分でつくってしまったピンチ。自分でなんとかしないと」。その一心で出した答えは2球目から4球続けてストレート勝負。変化球が甘く入って打たれる方が悔いが残ると思ったからだ。
 気迫に押された主砲のバットは最後に空を切った。「山形魂を持ち続けて投げ続けました」と有銘。1軍の仙台ではない、2軍の練習施設があった山形での日々を糧にして、魂のこもった139球を投げ続けた背番号26の背中はたくましかった。
 予感はあった。7月17日の日本ハム戦。試合は延長11回でサヨナラ負けを喫したが、初先発した有銘が9回を5安打10奪三振で無失点に押さえ、実質完封をしていた。「岩隈に次ぐ先発投手になれる。オールスターの後は期待したい」。田尾監督の予感が見事に的中しての、正真正銘の完封勝ちでようやくプロとして本当の意味での第一歩を踏み出した。
 沖縄・浦添商高、社会人の大仙、三菱自動車九州を経て01年にドラフト3位で近鉄入り。「阪神に指名されると思っていたら、(当時の近鉄・)梨田監督がビデオを見て評価を上げてくれた」といういきさつがあってのプロ入りだった。
 馬力があり、連投にも耐えうるタフさはあったが、ネックになったのはコントロール。近鉄時代に勝ち星はなく、近鉄がオリックスと合併することになると、楽天側に振り分けられた。
 その後は先発に中継ぎにとフル回転。制球も徐々に安定し、09年には8年目にして初のオールスターにも出場した。10年は5月にファームに行ってから7月までは出番なし。9月で32歳、まだまだフル回転できる年齢だ。

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