日めくりプロ野球 7月

【7月29日】2007年(平19) 6組目誕生 堂上剛裕4年目の1号弾

[ 2010年7月1日 06:00 ]

 【中日2―1ヤクルト】もう1軍の打席でバタバタすることはなくなった。ただ、振り抜いたバットから伝わった感触に自信はあったものの、なにせ1軍では経験したことがない。確信が持てなかったため全力疾走した。
 歓声が一瞬静まり、もう一度何かが破裂したように聞こえたとき、打球がセンターバックスクリーン左に消えたことを確認した。中日の4年目、堂上剛裕左翼手は神宮でのヤクルト17回戦の2回、館山昌平投手からプロ入り初本塁打を放った。

 「ホームランなんてとんでもない。ヒットを打とうと思っていた。リラックスして打席には入れたのが良かったのかもしれない」。2日前にプロ初安打の二塁打に、初打点となる三塁打を記録。これが気持ちの余裕につながったことは間違いなかった。
 この本塁打こそ、プロ野球6組目の珍しい一発だった。堂上剛の父は、1971年から14年間中日に所属していた堂上照投手。07年はドラゴンズの選手寮・昇竜館の館長を務めていたが、父も現役時代の77年に本塁打を放っており、これで親子ホームランを打ったことになった。
 長嶋茂雄・一茂親子、野村克也・克則親子ら過去5組しかいない記録に、父は「落合監督に使ってもらって結果を出せたことは父親としてうれしい」とだけ話したが、中日球団としては初の快挙だった。
 過去5例のうち、4例は親子とも捕手あるいは野手の組み合わせ。どちらかが投手であるのは、父が南海にいたマーティ・キーオ内野手、息子が阪神にいたマット・キーオ投手のみ。つまり、日本人選手としては初めてのパターンだった。父は6年目でプロ初勝利、息子は4年目で初本塁打。ドラフトで指名された初の親子、しかも同じ6位で同じ球団という2人は、しばらく下積み生活を経てはじめの一歩を踏み出したところまで、とても似ていた。
 この年、弟の直倫内野手も中日に入団した。巨人、阪神に指名されながら確率3分の1でもドラゴンズに決まるという、縁があるとしか言いようのないクジ運で親子3人がそろった。「将来は弟と2人でレギュラーを獲りたい」と剛裕は初本塁打の後に語ったが、それが2010年、現実味を帯びだしている。
 6月27日、ナゴヤドームでの広島12回戦でジョン・ベイル投手から直倫が初本塁打を放った。兄と同じ4年目での一発だった。親子2人の本塁打はあったが、3人となるとさすがに前例はなかった。兄弟で1軍に残り、試合に出続けてもうそろそろ2カ月。そろってスタメンという目標もクリアした。あとは1軍に定着し、さらにレギュラーを勝ち取れるか。大きなチャンスを2人は迎えている。
 

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