日めくりプロ野球 7月

【7月21日】2007年(平19) 松坂以来5度目 田中将大ストレート勝負で火だるま

[ 2009年7月1日 06:00 ]

2回、巨人・阿部に本塁打を打たれ、打球の行方をぼう然と見送る田中。ほろ苦い球宴デビューだった
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 【全セ11-5全パ】中日・井端弘和遊撃手に左翼線に痛打を浴びると、18歳の新人右腕は大きな雨粒が落ちてくる仙台の空を思わず見上げた。2人の走者が相次いで生還。スコアボードの2回表の枠には「6」の数字が入った。
 オールスター第2戦。楽天のルーキー・田中将大投手は本拠地で火だるまになった。初回は3者凡退で切り抜けたが、2回にDHの中日タイロン・ウッズに左前打を打たれると、巨人・阿部慎之助捕手には右翼席に特大の本塁打を浴びた。結局、井端の二塁打まで6連打6失点。この1イニング計7安打を打たれた。

 1回6連打以上を打たれた投手は球宴史上3人目、7安打を浴びたのは01年の第2戦での西武・松坂大輔投手以来これも3人目だった。高卒での球宴先発は5人目という名誉も直球をことごとく痛打されての黒星。「めちゃ悔しいです」と言ったきり、ベンチでしばらく茫然自失状態だった。
 嫌な予感はあった。初回、ヤクルト・青木宣親中堅手、横浜・仁志敏久二塁手を続けて中飛に打ちとったが、直球をしっかりとらえられていた。女房役の楽天・嶋基宏捕手に「変化球を多く投げたい」と言ったが、嶋のサインはストレートばかり。36球中実に29球までが真っ直ぐだった。最速は153キロ。140キロ台後半のボールも多かったが、セを代表する百戦錬磨の一流打者はただ速いだけなら苦もなく打ち返した。
 テレビ中継の解説をしていた楽天・野村克也監督は直球を要求しすぎる嶋に対し「冷たい。もう少しマーくんを助けてやらんと」と、むきになってストレート勝負を挑む新人の弟子に苦言を呈した。その一方で「マーくんも直球の質を上げないとダメだということが分かったでしょう」と、成長へのきっかけを6連打6失点が与えてくれたと見ていた。
 マーくん自身もそれを痛感していた。降板後、放送席に呼ばれ、野村監督から直々に生中継中に指導を受けた。下半身の使い方、フォームの欠点を指摘された上で「シーズン中には直さない。今やると崩れてしまうから。秋季キャンプでみっちりやる」と明言された。
 仙台での球宴は52年ぶりのデーゲームだった。土曜日であることからファンのことを考えてという面もあったが、実は野球以外の要因が多分にあった。サッカーアジア杯の日本代表の試合が夜組まれていたことや22日に雨天順延になった場合もテレビ番組が編成をする時点では、当初参院選挙が予定されていて放送枠の確保ができなかったためのデーゲームだった。。
 このため、セパ両軍の選手は前日20日に東京ドームで第1戦が行われた後、臨時の新幹線で仙台まで移動。人身事故の影響で杜の都に到着したのが、午前1時前。選手は疲労困ぱい。マーくんもようやく午前3時に床に就いたが「ほとんど眠れなかった」。寝不足、悪天候…。厳しい条件下の登板は、新人にとっては過酷だった。

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