日めくりプロ野球 7月

【7月17日】2002年(平14) 8安打8点 松井秀喜に始まり松井秀喜で締めくくった

[ 2009年7月1日 06:00 ]

トドメの19号本塁打を放ち、笑顔で生還した松井秀は清原(背番号5)の祝福を受ける
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 【巨人10-5横浜】初球からためらわずいったことで流れが変わった。前日の15日、横浜の新外国人クリス・ホルト投手に完封負けを喫し、オールスター開けの後半初戦を黒星でスタートした巨人。この日もシェーン・バワーズ投手の前に1安打。3点ビハインドで迎えた6回、先頭打者の4番松井秀喜中堅手が打席に入った。
 松井にとって幸いだったのは、バワーズが既に降板していたこと。5回1失点も球数は100球を超えており、森祇晶監督の判断で交代。マウンドには左腕河原隆一投手が上がっていた。

 左対左。不利なはずの対戦でも松井は河原をそう苦にしていなかった。初球、139キロの直球を右前に弾き返した。「3点差あるし、僕が一発狙っても1点しか入らない。それならばつないでいこうと…。1球目からストライクが来たらいくつもりでしたよ」と松井。眠っていたジャイアンツ打線が主砲のチームバッティングで目覚めた。
 この後、巨人は2死からの5連打を含む8安打8点のビッグイニング。7月6日の阪神戦でも1イニング8点を入れているが、松井の単打で始まった猛攻をきれいに締めくくったのも背番号55だった。
 イニング2打席目の松井は竹下慎太郎投手の外角に逃げていくスライダーを逆らわず左翼へ運ぶと、スタンドまで届く19号2点本塁打。バットの先で拾った当たりだったが「なんだ、オレってパワーあるじゃん。打球の方向にバットのヘッドがうまく走ったね。完ぺき?うん、うまく打てた。完ぺきといえば完ぺきだね」。
 竹下のボールは決して失投ではなかった。むしろ見送れば低めギリギリに決まる最高のボールだった。それをとらえた松井にあっぱれというほかに言葉がない、7月9日の広島15回戦(広島)で打った通算300号以来、1週間ぶりの301号本塁打だった。
 「ゴジが初球を打って(打線に)火を付けたね。最後もゴジが仕上げてくれた。4番が打てばチームは乗っていく」と原辰徳監督も上機嫌。3点差から満塁本塁打を打たれても同点にならない5点差になった、勝利を決定付けるアーチで横浜は完全に戦意を削がれた。
 松井の一撃で弾みのついた巨人はこの後、6連勝。がっちり首位を固めて2年ぶりにセ・リーグを制し、そのまま日本一に突き進んだ。後半戦だけで31本塁打と量産した松井は、自身初の50本塁打を達成。セ・リーグではランディ・バース一塁手(阪神)の54本塁打以来17年ぶり、日本人でも落合博満内野手(ロッテ)の50本塁打以来、16年ぶりだった。
 この2人がいずれも三冠王を獲得しているのに対し、松井は首位打者を福留孝介外野手(中日)にさらわれ、二冠王に終わった。それでも通算332本塁打はメジャーリーグにアピールするには十分な数字。この年のオフ、ヤンキースに入団した松井は03年から舞台を米国へと移した。

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