日めくりプロ野球 7月

【7月18日】1999年(平11) 誤審?で8連勝 巨人新人史上初の2部門トップでリターン

[ 2008年7月14日 06:00 ]

今岡の大飛球に肝を冷やした上原浩治だがなんとか完投勝利を挙げ、村田と喜び合う
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 【巨人3-2阪神】打球が左翼へ上がった瞬間、背番号19は血の気が引く思いで後ろを振り返った。阪神・今岡誠遊撃手の一撃を追って懸命に背走する後藤孝志左翼手。背番号00を内野に向けたままジャンプ一番。白球はなんとかグラブに吸い込まれた。
 「フーッ」と大きなため息をはくと、汗びっしょりの19番・巨人の新人、上原浩治投手がマウンド上で両腕を挙げ高々とガッツポーズ。シーズン12勝目は126球、7安打9奪三振の完投勝利。5月30日の阪神10回戦からこれで8連勝となった。

 浪人してまで大阪体育大に入り、野球エリートの多い巨人の中でどれだけやれるかに挑戦した“雑草魂”の持ち主などといわれたが、今や押しも押されぬジャイアンツのエースに。球宴前に勝ち星、防御率(1・81)でルーキーがリーグ1位なのは80年の木田勇(日本ハム)以来、19年ぶり。巨人軍の歴史の中では初めての快挙だった。
 「最後はいかれた、アカンと思いました。野手のみなさんが守ってくれた。きょうの勝ちは今までで一番嬉しいですわ」と無邪気に喜んだ。
 初回に田中秀太二塁手のライナーを左太ももに受けた影響は回を追うごとに大きくなり「後半バテバテだった」(上原)。8回にはこれまでの被本塁打6本のうち2本を浴びている、新庄剛志中堅手に3本目となる2点弾を食らい、同点に追いつかれた。
 救ったのは12歳年上の“姉さん女房”村田真一捕手。3回に先制本塁打を放つと、同点後の9回には右犠飛で勝ち越し打。「ホームラン?誰が打ったってええやん。(決勝点は)上原が頑張っていたからなんとかしたかった。でも今日勝てたのは上原のピッチングがあったから。お中元贈っとくわ」とすこぶるご機嫌だった。
 納得いかないのは阪神だ。「誤審を認めたらどうやテレビにも映っていることやし」「塁を踏んでいませんから、セーフです」こんな押し問答が野村克也監督と杉永政信球審と繰り返されたのは6回表、巨人の攻撃だった。
 二死二塁、高橋由伸右翼手の一ゴロでベースカバーに入ったダリル・メイ投手は「右足で一塁ベースを踏んだ」と主張。しかも丁寧に2度も、と付け加えた。
 しかし、杉永塁審の判定はセーフ。メイが杉永塁審を突き飛ばしたのは、ほぼ判定と同時と言っていいほどだった。これで二塁走者の川相昌弘三塁手は生還。巨人は2点目が入った。
 杉永塁審への阪神ファンからの「退場」コールが渦巻く中、野村監督は6分間抗議したものの、結局引き下がった。が、釈然としないまま指揮を執った結果がこれだった。
 4連敗。ミーティング終了後、テレビのスポーツニュースで確認した野村監督は「完璧にアウトや」と不機嫌そのもの。審判団へのボヤキはさらに続く。「(疑惑の判定は)巨人戦になると多いな。潜在意識があるのやろ。無意識に出ちゃう。おとなしい外国人があれだけ強く出てるんや。確信があるからや」。
 9月28日に横浜26回戦(横浜)で黒星が付くまで上原は15連勝。この年のタイトルを総ナメ。一方、野村阪神は6月に首位に立つも、この後坂道を転げ落ちるように最下位に転落。球宴以降の戦いを象徴するかのような、真夏の一戦だった。

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