日めくりプロ野球 7月

【7月14日】2000年(平12) 追放なんて怖くない!?侮辱ポーズ謝罪もいつもより燃えた

[ 2008年7月12日 06:00 ]

7月14日、勝利の瞬間に雄たけびを上げるブライアン・ウォーレン。この日西武は首位陥落パV3を阻まれた
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 【ロッテ3-2西武】指こそ立てなかったが、右のこぶしを2度高く突き上げた。2安打で1点を失ったものの、“仇敵”西武を倒したロッテのブライアン・ウォーレン投手は、シーズン15セーブ目。因縁の西武相手にマークしたのがよほどうれしかったのだろう、最後の打者となった代打・貝塚政秀捕手を138キロのムービングファーストボールで空振り三振に打ち取ると、雄たけびを上げた。
 「きょうはいつもより燃えたよ。なぜ?それをオレに言わせるのかい。オレはライオンのマークを見るとファイトがわくタチでね」とウォーレン。この約20日間、ウォーレンと西武の間には大きな問題があった。

 ことの始まりは6月27日のロッテ-西武14回戦(千葉マリン)。延長戦に入りウォーレンが登板、無得点に抑えたが、その直後に西武・東尾修監督が「ウォーレンが投げたボールに故意につけたキズがある」と不正投球であることを指摘。試合終了後、ロッテ・山本功児監督、審判員らと協議の場がもたれた。
 真偽のほどはあやふやなままで、パ・リーグは翌28日にウォーレンに厳重注意をした。疑いの晴れないウォーレンも負けていない。西武を挑発し続け、グラブにやすりとカッターを入れてベンチに入り。報道陣の前にちらつかせて、ニヤニヤ笑っていた。
 そして29日、ウォーレンは西武戦で再度リリーフ登板した。山崎夏生球審が不正をさせまいと、何度も球を交換し、執拗にチェックしていたのが気に食わなかったウォーレンはマウンドを降りる際に、西武ベンチに向かって苛立ちまぎれに中指を立てて挑発。東尾監督が「覚えておけ」と発言したことで、大騒動になった。
 ウォーレンは結局、諸積兼司選手会長に付き添われ、西武・潮崎哲也選手会長に謝罪。「オレは99%紳士だけど、たまにカッとなってしまう」とウォーレン。村田パ・リーグ事務局長が「今後、あのようなことがあれば2度とマウンドには上がれないようにする」との言葉が効いたのか、1メートル88の大男が小さくなりながら、潮崎と和解の握手をした。
 それでもマウンドに上がればやはり野性味たっぷりのウォーレン。特に事の発端であるボールのキズを指摘した、鈴木健三塁手にはけんか腰だった。無死一、三塁でインコースを突き、二ゴロ併殺打に打ち取った。「オレにいちゃもんをつけるとやり返される?ウン、それは言わないでおこう、ハッハッハ」。“99%紳士”が追放されかねない言葉をグッとのみ込み、上機嫌で球場を後にした。
 ロッテが日本記録の18連敗をした98年途中から入団。台湾でプレーしていたが、河本育之投手ら抑え投手がすべて故障したための緊急獲得だった。2年目の99年に30セーブを挙げ、パ・リーグ初の外国人による最優秀救援投手となった。
 ここで巨人、横浜、トラブルが起こる前の西武などへの移籍をちらつかせ、年俸アップを画策。出来高払いを含めて2億円をゲット。来日時の3000万円から想像できなかった大金を手にした。
 しかし、闘争心のなくなったウォーレンはリリーフで相次いで失敗。2000年限りで退団すると韓国へ。その後、米独立リーグへと移ったが、闘争心の輝きも稼ぎも二度と戻らなかった。

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