日めくりプロ野球 7月

【7月6日】2003年(平15) 日曜日23連敗中のオリックス 救世主は来日初登板の助っ人

[ 2010年7月1日 06:00 ]

 【オリックス9―4日本ハム】ローテーションを変更したり、打順もいじった。塩も盛ったし、果てはシーズン途中で監督まで代えた。それでもなぜか1年近く日曜日に勝てなかったオリックス。連敗数は前年8月11日に西武ドームで完封負けして以来、1引き分けをはさみ23にまで達していた。
 不名誉な記録を更新し続ける中、連敗ストップにレオン・リー監督が繰り出した最後の“秘密兵器”は、誰も知らない見たこともない投手を先発させることだった。
 ナゴヤドームでの日本ハム15回戦。オリックスは新外国人右腕、ジェイソン・フィリップス投手をスターターに立てた。来日4日目。まだ時差ボケが残り、練習らしい練習もせず、日高剛捕手とのサインの打ち合わせもそこそこに1メートル98の大型投手はマウンドに登った。

 球威、スピードとも驚くべきところはなかったが、その分制球の良さでカバーした。2巡目につかまり3点を許したが、ストライク先行の投球はファイターズ打線の早打ちを誘い、7回まで8安打3失点。リズムの良さに打線も呼応し、3本塁打などで9点を奪ったオリックスは快勝を収めた。
 これでシーズン71試合目にして日曜日の試合初勝利。そして24連敗を免れた。ようやく抜けた真っ暗闇のトンネルに「まるで日本シリーズに勝ったみたいだ。イエーイ!もう日曜日の話はこれで終わりにしよう。今夜はようやくうまいビールが飲めるな」とレオン監督は大はしゃぎ。
 23連敗といっても前のことは何も知らないフィリップスは「そんなに負けていたのかい?何も知らないから自分のピッチングをすることだけに専念したよ。僕が日本で初めて投げた試合がチームにとって、グッドな結果をもたらしたのならハッピーだ」。“しがらみ”がなかったことで余計なプレッシャーがかからなかったことがもたらした、オリックスにとって待望の白星だった。
 12球団最悪の防御率5・61(03年7月6日時点)改善のため、年俸3000万円で緊急補強し、救世主となったフィリップス。来日4日前まで大リーグ、クリープランド・インディアンスの3Aで投げており、実は中8日での“初登板”だった。実戦感覚が鈍っていなかったのが幸いし、7月19日の近鉄戦で2勝目を挙げ、まずは好スタートを切った。
 趣味は読書。同僚と食事に行っても酒は一滴も飲まない超が付く真面目男だった。「日本の生活習慣に慣れたい」と入団早々、通訳に地下鉄の乗り方などを教わり、関西での試合は神戸の自宅から電車通勤していた。
 しかし、その生真面目さが投球でも時に一本調子となり、他球団も研究を重ねると打ち込まれるケースが目立った。翌04年もチームに残ったが、2年間での通算成績は4勝10敗。思ったほどの活躍はできなかったが、来日初登板でチームの絶望的な状況を救った助っ人として、ファンの間では忘れられない名前に違いない。

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