日めくりプロ野球 5月

【5月28日】2008年(平20) 助っ人右腕ガトームソン場外弾!女房も打って36年ぶり快挙

[ 2010年5月1日 06:00 ]

 【ソフトバンク6―2横浜】まさにチームの4番打者が打つような、豪快な一撃が左翼場外の闇に消えていった。雨が降り続く中、大分で行われた交流戦。ソフトバンクのリック・ガトームソン投手が横浜のエース、三浦大輔投手から1号ソロ本塁打を放った。
 「僕は打者じゃないし、たまたまいいストレートが来てそれを振っただけ」とガトームソン。そんなことはない。ヤクルトに在籍した05、06年にそれぞれ1本ずつ本塁打を放っており、バッティングセンスは実証済み。九州での試合でありながら、横浜の主催ゲームだったため、投手が打席に入る機会があったことで飛び出した、通算3号弾だった。

 実はベンチからの指示は「三振してこい」だった。ガトームソンが打席に入る直前、8番的山哲也捕手が右翼へ1号3点本塁打を放ち、得点は5―0となっていた。雨天のゲームで5回コールドもあり得る展開。一応セーフティーリードを奪ったことで、助っ人右腕には投球に専念してもらいたいというのが、王貞治監督の頭の中にあった。
 ところが、である。「三振しろって言っていたのに、打っちゃったよ。まあ、勝ったからいいか」と3連敗を止めた王監督は上機嫌。投げては7回コールドゲームながら完投で2勝目。交流戦での投手の本塁打は06年の西武・松坂大輔投手以来、4本目。セパ両リーグでのアーチとなると、81年(昭56)に東映(現日本ハム)からロッテを経て広島に移籍していた、金田留広投手が打って以来、実に27年ぶりの珍しい記録となった。
 指名打者制が採用された75年(昭50)からは、ほとんど不可能な記録だったが、交流戦がもたらした副産物。ちなみに外国人投手で両リーグ本塁打を記録したのは、ガトームソンが初めてだった。
 ガトームソンの一発は、ホークスにとっても前身の南海以来の記録を1つ生んだ。ソフトバンク移籍1年目の的山が放った1号弾でバッテリーが同じ試合でアーチをかける“夫婦本塁打”。これまた珍しいシーンを約1万3000人のファンにお見せした。
 バッテリーの本塁打はチームにとって72年7月28日、平和台での西鉄―南海16回戦以来、36年ぶり。南海・野村克也捕手が初回に東尾修投手から21号3点弾を放つと、5回には江本孟紀投手が高橋明投手から2号3点弾をセンターバックスクリーンへ放り込んだ。
 不思議なことに2つのアベックホーマーとも、捕手より投手の方が推定飛距離の長い“特大弾”を放っていた。ガトームソンは場外だったが、的山は右翼席、野村は左翼中段の110メートルだったが、江本のそれは125メートル飛んだ。
 この年限りで日本球界を去ったガトームソンにとっては最後の本塁打だったが、的山も同年で引退。通算40号となるこの日の一発が同じく最後の本塁打。ともに思い出深い、雨のナイターとなった。

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