日めくりプロ野球 5月

【5月22日】1999年(平11) 記録は「知らない」イチロー、リーグ新の連続満塁本塁打

[ 2010年5月1日 06:00 ]

 【オリックス14―4ダイエー】本人は記録のことなど別に気にしていないようだが、ファンやマスコミ、野球関係者少し違う。次々と新しい記録を毎年のように打ち立てていくオリックス・イチロー外野手がまた1つパ・リーグで前人未到の領域に足を踏み入れた。
 2回、1死満塁で2度目の打席となったイチローはダイエー・ヒデカズ投手から広い福岡ドームの右翼席中段まで運ぶ7号グランドスラム。95年に初の満塁弾を放って以来、これで5年連続7本目。これまで日本ハム・島田誠外野手、西武・伊東勤捕手が放った4年連続というのがリーグ記録。イチローが新記録の欄に名を刻むことになった。

 「5年連続?そうなの?全然知らなかった。新記録?良かったんじゃないですかね」と相変わらずのイチロー節。記録のことをいちいち尋ねられても、答えるイチローとしては大したことではないと思っていることもしばしばあった。
 満塁本塁打を含む、2安打で打率は3割5分9厘となり、2位の日本ハム・片岡篤史内野手の3割4分4厘を寄せ付けず、リーディングヒッターをキープ。8回の打席では仰木彬監督が「ファンの方も満塁ホームランで納得してくれたでしょう」と、今季初めて代打・今村文昭内野手を送り、ひと足先にイチローは“上がり”。きっちり自分の仕事を終えた背番号51は8回裏からベンチでゆっくり野球観戦モードになった。
 翌2000年も満塁弾を放ち、6年連続の日本記録タイをマークしたが、初めて満塁アーチをかけた95年はまだそんな余裕はなかった。前年、シーズン210安打のプロ野球記録を作ったものの、実質2年目。4月4日、東京ドームでの日本ハム1回戦に河野博文投手から放ったシーズン1号の初グランドスラムについてこんな談話を残している。
 「満塁本塁打は公式戦では初めてだと思います。最低でも外野フライと思っていましたから、思い切り行くことだけを考えた。打った瞬間、感触が良かったんで、スタンドに入ったと思った。うーん、気持ちいいですね。これでノッていけるかな。嬉しいです」。淡々とそっけないイチローはそこにはいなかった。
 開幕シリーズのロッテとの2連戦では9打数1安打に終わったイチロー。日本ハム戦の1打席目も捕邪飛に倒れ、ついに打率は1割。だが、2打席目に満塁弾を飛ばしたことで、本人の言葉通りノッてしまった。
 本塁打の後も3安打を放ち、計5打数4安打。打率は一気に3割5分7厘まで上昇。勢いづいたイチローは二盗、三盗と立て続けに決め、チームは7―6で勝利。イチローは一人で5打点のワンマンショーだった。
 09年4月15日、イチローは張本勲外野手と並ぶ日米通算3085安打を満塁本塁打で決めた。マリナーズの本拠地シアトルで、張本氏が観戦している中で打った一撃には「張本さんの前で打てて気持ちよかった」とコメント。いつも淡々としているイチローがこの時ばかりはバットマンとしての誇りを感じていたようだった。

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