日めくりプロ野球 5月

【5月24日】2005年(平17) 楽天、1年目の試練 リーグワーストの10勝目

[ 2009年5月1日 06:00 ]

中日に辛勝し、ようやくシーズン10勝目を挙げた楽天・田尾監督は笑顔でバスに乗り込んだ
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 【楽天3-2中日】09年の5月23日時点でシーズ22勝を積み重ねてきた楽天。1つの区切りとなる10勝目は4月24日の対ソフトバンク4回戦(Kスタ宮城)で、開幕から17試合目だった。
 その楽天も球団創立1年目に10勝到達まで要した試合数はなんと48試合。クラウンライターから西武となった79年、ライオンズも10勝するまでに47試合かかったが、楽天はそれを更新するワースト記録となってしまった。

 勝率1割9分1厘のチームにとって、区切りの白星は最後まで冷や汗ものだった。8回途中まで1失点と好投したケビン・ホッジス投手の頑張りもあって、2点リードで迎えた9回。抑えの福盛和夫投手が連打を浴び、無死一、二塁。暗雲漂う中、交流戦4勝11敗と不振の中日はチーム状態を象徴するようにアレックス・オチョア中堅手が併殺打。大きなヤマは超えたかに見えたが、楽天は最後アウトをなかなか取れない。森野将彦三塁手に二塁打を打たれ1点差に。谷繁元信捕手が遊ゴロ内野安打で、サヨナラの走者を出した。
 「何をビビッているんだ!」楽天ベンチの田尾安志監督が吐き捨てた。しかし、福盛だけを責められない。この回4安打のうち2本は限りなくエラーに近い内野安打だった。
 連打を浴びた時の福盛は勝負を急ぎ、やられることが多い。中日が左の井上一樹外野手を代打に起用すると、田尾監督はセオリー通りベテラン左腕、38歳の吉田豊彦投手を送った。中日・落合博満監督も動いた。代打の代打に右の40歳川相昌弘内野手が告げられた。
 浮き足立つ楽天ナインの中で、緊急登板にもかかわらず吉田は冷静だった。2球目の内角球で川相を遊ゴロに打ち取りようやく試合終了。三木谷浩史オーナーの目の前で5連敗を脱出、難産のシーズン10勝目を飾った。
 もう指揮官ののどはカラカラだった。選手と勝利の握手を交わすと、ロッカールームに飛び込み、番記者を待たせてウーロン茶を1杯ゴクリと飲み干した。
「負けるのは簡単だけど、勝つのは大変です」と田尾監督。すでに借金は28。惨めな気持ちは嫌というほど味わってきた。それでも同志社大からドラフト1位で入団した中日相手に、プロ生活のスタートを切った名古屋で勝てたことで気持ちはいく分晴れた。久しぶりに笑顔を見せながら「(借金は)1つ1つ返していきますよ」と締めくくった。
 三木谷オーナーの御前試合はこれで6勝10敗。観戦していない時の4勝28敗と比べると、かなりの勝率だ。接戦をものにしての勝利だったが、オーナーは無言のままナゴヤドームを後に。10勝ごとに選手に分配すると約束したボーナスを分配するよう球団幹部に支持して、東京行きの新幹線に飛び乗った。
 楽天はこの中日3連戦の残り2試合も6-2、15-3と快勝。交流戦での最下位を脱出すると、地元に戻っての阪神1回戦にも2-1で逃げ切り、球団初の4連勝をマークした。しかし、これがピーク。以後シーズン終了まで3連勝が2回あったのみで、11連敗を筆頭に3連敗以上を8回繰り返した。
 あれから5年。球団創設時67人いた選手のうち、09年も楽天に在籍する選手は18人。7割以上が入れ替わったが、やられっぱなしのプロ生活ではいい思いでは残らない。あの屈辱を知っている選手がいるうちに、何としても栄冠を勝ち取りたいものである。

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