日めくりプロ野球 5月

【5月19日】2000年(平12) 8年目にして初!松井秀喜、“三冠王”!

[ 2009年5月1日 06:00 ]

9回に試合を決定付ける3点本塁打を放った松井は巨人ナインに迎えられる。相手投手がなかなか勝負してこない中で、松井は本塁打を量産し続けた
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 【巨人7-2ヤクルト】意外にもこれが初めてだった。巨人・松井秀喜中堅手は神宮でのヤクルト9回戦で2打数2安打2本塁打4打点。打率3割5分6厘、13本塁打、37打点となり、シーズン39試合目にしてプロ入り後初の打撃3部門トップに立った。本塁打、打点は先頭を走っていた松井だが、2安打で前日まで6厘差あった打率トップの中日・山崎武司一塁手を一気に抜いた。
 「へえ、そうなの?でもまだ3分の1が終わっただけでしょ。まだまだだよ」。松井の言うとおりまだ5月。タイトル云々というのは早すぎたが「今日の仕事に関しては完ぺきだった」と、2本塁打に関しては満足げに振り返った。

 「ボール球か、打ってもシングルヒット止まりのコースにしか投げてこない」。開幕前に三井スコアラーとセ・リーグ各球団投手の投球を分析した松井は「無理に本塁打を狙わず、ホームランボールを待つ」ことを打撃の大前提としてシーズンに臨んだ。かといって、多少無理をしないといつまでも打てない。松井は少しのスキも見逃さない集中力で、ボール攻めの中から好球を選んでバットを振った。
 ヤクルト戦も1打席目は四球。初回、2死一塁の場面で勝負をしてもらえなかった。2打席目は3回。2死走者なしの場面だったが、先発の川崎憲次郎投手は歩かせてもいいといった雰囲気の外角一辺倒の投球だった。
 しかし、焦らずに待っているいると好球がきた。外角のボールにするつもりが、真ん中高めに入った。141キロのストレートを弾き返した打球は左翼ポール際に。「見逃せばボールかな。ファウルだと思ったけど、うまく打てた」という打球は12号ソロ本塁打となった。
 この1本の後、露骨な四球が2打席続いた。これで早くも35四球。18日まで11本塁打を放ち、松井と本塁打王争いをしていた広島・前田智徳外野手の7個と比べれば、その数は断トツだった。
 次も…と歩かされることが脳裏をよぎった9回の第5打席。巨人3点リードで迎えた2死一、二塁の場面は、相手バッテリーも勝負してきた。松井の後を打つ5番ドミンゴ・マルティネス一塁手はこの日3安打2打点と当たっていたからだった。細心の注意で低めに球を集めたヤクルト・藤井秀悟投手だったが、決め球のフォークに松井のバットが反応した。
 「珍しくうまく拾えた。1本目のと合わせてめったにない当たり」と自画自賛した打球は右翼席中段に突き刺さった。シーズン3度目となる1試合2本塁打。18日の広島戦から4四球をはさんで、3打数連続本塁打となった。2本の技ありの本塁打、それに手を出した2球がいずれもアーチになったことに「神宮には神様がいる」と上機嫌で球場を後にした。
 翌21日のヤクルト10回戦は無安打に終わり、打率が落ちて3部門トップは“1日天下”に終わった松井。7月12日に札幌円山球場での同球場巨人最後の公式戦で通算1000本安打を記録した際に返り咲くなど、何度か限定三冠王にはなったが、結局最終成績は42本塁打、108打点で二冠には輝いたものの、打率は3割1分6厘4毛で3位。彗星のごとく現れた、横浜・金城龍彦外野手が首位打者のタイトルを獲得した。
 02年も三冠王のチャンスがあった松井だが、この時も中日・福留孝介外野手に打率で9厘及ばず2位。二冠止まりだった。松井はこの年を最後に大リーグへ。メジャー6年目の08年まで、打撃3部門のタイトルはまだ1度も手にしていない。

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