日めくりプロ野球 5月

【5月19日】1998年(平10) 温厚マルちゃんが激高!スキンヘッドツインズが挑発

[ 2008年5月13日 06:00 ]

死球に激高した西武のドミンゴ・マルティネス(右)は、同僚ペンバートン制止するのもきかずに、日本ハム・芝草宇宙投手に突進しようとした
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 【日本ハム14-3西武】審判団が英語に堪能だったら、乱闘劇は起こらなかったかもしれない。
 東京ドームでの日本ハム-西武6回戦の8回裏、日本ハム・芝草宇宙投手は西武の指名打者ドミンゴ・マルティネスの右ひざに死球をぶつけた。体重110キロを超える“マルちゃん”はヘルメットを叩きつけて激高。そのまま芝草に向かって突進した。逃げる芝草を右中間まで追いかけ、ようやく両軍選手が追いつき仲裁に入ったが、時既に遅し。マルティネスは暴力行為でこのシーズンパ・リーグ初の退場を宣告された。

 来日2年目で初の退場となったマルティネス。日本ハムの上田利治監督は大勝にも「後味が悪いトラブル。怒るほどのボールやないのに」と不快感をあらわにしたが、「普段おとなしくて温厚なマルちゃんがあれだけ怒るんだから、ひどいことを言われたんだよ」と東尾修監督。その指摘通り、マルティネスが怒りを爆発させたのにはそれなりの理由があった。
 退場劇の直前、マルティネスが打席に入る前に日本ハムベンチにいた、ジェリー・ブルックス、ナイジェル・ウイルソン両外野手から野次が飛んだ。西武の通訳によると「今度は(死球)行くぞ」「ぶつけろ」という内容の英語をニヤニヤ笑いながら、マルちゃんに浴びせていた。人のいいマルちゃんはあまり気にしていなかったが、本当に死球を食らったことで感情が一気にたかぶった。
 この日ウイルソンは4打点、ブルックスも2打点で、大量リードを受けて既にお役ご免とベンチでリラックスしていた。風貌がそっくりの“スキンヘッドツインズ”2人が発した、半ば冗談のひと言がめったなことでは声を荒げないドミニカ出身の31歳を怒らせたのだった。
 試合後、やや冷静さを取り戻したマルティネスは「頭に血が上った。打席に入る前にヘンな野次があったので、狙われたという先入観があった。反省している」。本来なら挑発ととれる野次に対してはアグリーメントで審判が監督や当該選手を退場にすることもできるが、スキンヘッドツインズの発した言葉は英語。審判団も何を言っているのか、意味が分からなかったため、適切な処置を取れなかった。マネティネスには罰金や出場停止の処分が下されるとの見方もあったが、パ・リーグは情状酌量し、厳重注意処分で決着を付けた。西武で2年、巨人には3年在籍し、538試合に出場、104本塁打を記録したたマルちゃんの退場はこれ1回きりだった
 巨人退団後は大リーグ、オリオールズの招待選手としてスプリングキャンプに参加したが、メジャー昇格はならず現役を引退。05年にはスペイン語ができることから、中日の中南米担当スカウトとなった。

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