日めくりプロ野球 5月

【5月12日】2001年(平13) カープの“コブレラ”友のひと言とブタで8戦9本塁打

[ 2008年5月8日 06:00 ]

小柄ながらパンチ力には定評のあった広島・ディアス。ディフェンスの良い外国人という触れ込みだったが、日本では打撃の人だった
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 【広島9-1阪神】同郷の友のアドバイスで、丸眼鏡をかけたカウボーイは開眼した。 広島のエディ・ディアス二塁手は、甲子園での阪神7回戦で先制、ダメ押しの2本の3ランホームランをかっ飛ばし、チームの勝利に貢献。これで5月に入ってから8試合9本目のアーチとなった。「凄い、凄い、5月に入ってからずっと凄い」。球界歴代4位(08年現在)の通算536本塁打を放った山本浩二監督もそれしか言葉が見つからなかった。

 前年の00年、ディアスの本塁打は88試合で8本。それをわずか8戦でマークしてしまった大変身ぶりは、同じベネズエラ出身の西武、アレックス・カブレラ内野手の電話でのひと言に秘密が隠されていた。
 「大降りするな。コンパクトに打て」。単純なアドバイスだが、力任せに振っていたこれまでのスイングから脇を締めて鋭く振りぬくことを心がけると、打球がおもしろいように飛んだ。5月4日、5日のヤクルト戦(広島)で1本ずつ本塁打を放つと、6日は3本、10日の巨人戦(同)でも2本と大爆発。そしてこの日も2本で8試合14安打のうち、9本がスタンドイン。打率も4割6分7厘と手がつけられない状態に。開眼したディアスに、チームメイトはカブレラの小型版という意味でいつしか“コブレラ”と呼ぶようになっていた。
 さらにディアスには幸運のおまじないという強い味方があった。3発放り込んだ6日のヤクルト戦の試合前、野村謙二郎内野手がいたずらしてディアスのアンダーシャツにブタの漫画を描いた。その試合で大当たりのディアスは気を良くして10日の巨人戦の前には「また描いてくれ」と今度は頼みに行くほど。すると今度は2本塁打。阪神戦もその勢いは止まらず「オレの守り神さ」とユニホームの上から絵の部分何度も撫でた。
 01年のシーズン、ディアスは結局32本塁打を放った。もう一人の外国人助っ人、ルイス・ロペス内野手も32本塁打。広島の外国人選手2人が30本以上放ったのは、78年のギャレット外野手(40本)、ライトル外野手(33本)以来23年ぶりの快挙で、ディアスはこの年ベストナインに選ばれた。
 ディアスは母国で牧場を経営。「ウチのビーフは最高だ」が口癖で、年俸を上げて「牛を買い増すのが夢」と大きな目標を抱いて日本でプレーした選手だった。メジャー経験は97年ブルワーズで16試合のみ。当初は堅実な守備で走れる選手という触れ込みで入団したが、日本で打力が飛躍的に伸び、年俸は7000万円までアップ。目標だった牛の買い増しはうまくいったようだ。
 来日時、ベネズエラの習慣にならって幼い2人の子どもの世話役として、乳母を同伴することを球団に要求。ディアス自身は海外からの就労者として長期滞在を許可するビザが下りたが、乳母はさすがに労働者とはみなされず、願いは受け入れてもらえなかった。
 02年を最後にカープを去った後は、台湾やメキシカンリーグでプレー。ファイトあふれるプレースタイルはどこへ行っても変わらなかった。

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