日めくりプロ野球 5月

【5月1日】2001年(平13) 井出竜也 初球先頭打者本塁打で史上初の“スミ1球”勝利

[ 2008年4月22日 06:00 ]

俊足好守の井出竜也だが、一発長打のパンチ力もあった。
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 【日本ハム1-0近鉄】佐藤純一球審の右手が上がった直後、時間にして5秒とかからなかっただろう。近鉄・高村祐投手が投げた141キロのストレートを弾き返した、日本ハムの1番打者・井出竜也中堅手の打球は、センターへ一直線。そのままスタンドインした。

 井出自身3度目となる先頭打者本塁打。「初球で打ったのは初めて。それに初球をこんなに気持ちよく振れたこともなかったなあ」と井出。4月を借金9で終え、最下位にあえぐ日本ハムの9試合ぶりの先制点に、大島康徳監督以下ベンチは大いに盛り上がったが、まさかこの1点で試合が決まるとは、誰も思わなかったはず。2時間41分の6回戦は、日本ハム・金村暁投手と高村の好投で、その後両チーム得点が入らないまま終了した。
 プロ野球史上、初回の先頭打者本塁打が決勝点になりそのまま1-0で終わった試合は過去4試合(当時)あったが、初球打ちで決まったのはこれが史上初。スコアボードの隅っこの1回にだけ1点入る“スミ1”で勝つケースは年に数回見られるが、まさに“スミ1球”で勝った試合は初めてのことであった。
 00年は開幕から出遅れたものの、13本塁打56打点14盗塁をマークし、大島監督から「一発のある走れるトップ」として切り込み隊長役の期待をかけられた井出。しかし、開幕直前に持病の腰痛でダウン。1軍復帰はこの歴史的本塁打を放つ1週間前だった。
 13年の現役生活で通算79本塁打を放ったが、大阪ドームでの近鉄戦での本塁打にまつわるストーリーはさらに続く。02年8月24日の19回戦、6回に代打で出場した井出はジェレミー・パウエル投手から右前へヒットを放った。これを鷹野史寿右翼手が後逸、その間生還し記録はランニングホームランとなった。
 代打でのランニングホームランはロッテ・高沢秀昭外野手以来11年ぶり。井出にとって「生涯初のランニングホームラン」となった。
 93年、ドラフト2位で日本通運からファイターズ入り。山梨・吉田高時代はエースとして夏の甲子園に出場したが、ノンプロでは打者に転向。社会人外野手NO.1の評価にヤクルト、巨人、西武を逆指名した。
 しかし、意中の球団からは指名の確約が取れず、一度は断った日本ハムから「2位で指名したい」とラブコールを受け気持ちが傾き入団。本塁打に関するエピソードもあるが、井出といえば守りの人。97年と02年にはゴールデングラブ賞を獲得。02年は規定打席に到達せずに受賞した。
 熱望されて入団した日本ハムだったが、03年オフ、北海道移転が決まるととともに井出の運命は大きく変わった。入来祐作投手(現横浜)とのトレードで、かつての“恋人”巨人に移籍。堀内恒夫監督に期待されたが、スタメンわずか3試合、1安打に終わり1年で自由契約。トライアウトでソフトバンク入りし、2年の現役生活を経て07年からはホークスの1軍外野守備走塁コーチとして指導にあたっている。

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