日めくりプロ野球 4月

【4月6日】2002年(平14) 騒然広島ベンチ!ロペス激高!前田智徳悔し涙

[ 2011年4月6日 06:00 ]

八回裏(広)無死二塁、中前打を放ったものの、三塁でストップした二塁走者・前田に対して両手を挙げて納得いかない様子のロペス(左)(右は苫篠一塁コーチ)
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 【中日8―6広島】「どうして走らない!なぜ、三塁に止まったんだ!」。

 広島市民球場の広島―中日2回戦の8回、広島・木村一喜捕手のレフトへのヒットで三走の前田智徳右翼手、二走のルイス・ロペス一塁手が相次いで生還した直後のことだった。一塁側ベンチでロペスが英語で一気にまくし立てると、両腕で思い切り前田を突き飛ばした。

 「6点差あったじゃないか!」。突き飛ばされた、前田の声も怒気を含んだものになった。慌ててチームメートが間に割って入り、2人を引き離した。時間にしてわずか数秒だったが、試合中のベンチ内で起きた味方選手への“暴行事件”。思いもよらぬ外国人選手からの仕打ちに、前田は悔し涙を流した。実は前田、前日5日の同じ中日戦でケガから復活の644日ぶり本塁打を放ち、うれし涙を流したばかり。それがたった1日で悔し涙に変わるとは夢にも思わなかった。

 ロペスから言わせれば2度もあったことが許せなかった。2回、二塁打の前田のあとを打ったロペスは中前打を放った。前田が生還することを思い描きながら、一塁ベースを回ったところで、思わぬ光景が目に入った。前田が三塁で止まっていたのだった。足に“爆弾”を抱える前田にとって、3点ビハインドの序盤、しかも小雨が降り続き、グラウンドコンディションの悪い中での無理な走塁は極力避けたかった。打点1が付かなかったロペスの表情は明らかに不機嫌。今にも爆発しそうだった。

 そして8回。2回のVTRのように、二塁打の前田をセカンドベースに置いて、ロペスが再度中前打。今度こそ、と思っていたところ、前田は再度三塁でストップ。一塁ベース上で両手を大きく広げ、不満のポーズをとり、地面を蹴り上げた。木村の一打で両者が生還したところで待っていたのが、修羅場だった。

 ロペスにとってみれば2打点を損したことは“死活問題”だった。外国人選手は成績に応じてボーナスが付くのが慣例。それが他人のせいで成績が上がらないとなれば不愉快になのは分かる。しかし、同僚に暴行するというのはあまりにも度を越した行為。「自分の成績だけにこだわっている選手は必要ない」。山本浩二監督は即刻ロペスの2軍行きを決定。開幕直後から好調で打率4割1分7厘の数字を残していたが、そんなことは関係なかった。

 2軍落ちしたロペスは10日間、試合はおろか練習にも参加を許さない謹慎処分を課した。その後、前田とも和解したが、代わりに気持ちの張りを失った。かつて打点王を2度取った優良助っ人も8月末時点で打率2割4分5厘、5本塁打とまったく精彩を欠き、シーズン終了を待たずに解雇された。

 2010年に楽天のマーティ・ブラウン監督に請われ、2軍打撃コーチを務めたが、ブラウン監督が解任されたため、日本への復帰も1年で終わった。

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